2019 Fiscal Year Annual Research Report
International comparative study related to the evaluation method for college admissions
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17K04555
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
永田 純一 広島大学, 高大接続・入学センター, 准教授 (70330959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 敏彦 広島大学, 高大接続・入学センター, 教授 (00379851)
高地 秀明 広島大学, 入学センター, 教授 (70403508) [Withdrawn]
三好 登 広島大学, 高大接続・入学センター, 特任准教授 (40735164)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高大接続 / 国際比較 / 大学入試 / 主体性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は4月にCIES(Comparative International Education Society)国際会議(サンフランシスコ)のポスターセッションにおいて発表を行った。12月には英国のイングランド及びウェールズの大学、そしてウェールズのGCE A levelカリキュラム実施校の現地調査を実施した。インタビュー調査対象者は、アドミッションオフィスの教職員、大学院生、そして高校教員及び高校生であった。興味深いのは、選抜度の高い大学の医師養成コースでは、質問項目ごとに面接官が配置され、受験者は40分~1時間以上に及ぶ面接がなされていた。専門分野以外の知識や学ぶ意欲等、いわゆるholisticな選抜がなされていた。GCE A Level実施校での調査からは、生徒の自己効力感が極めて高い印象を受けた。主体的な態度と自己効力感とは一定の関係があると推測されることから、今後、心理尺度を用いた質問紙調査を実施することで、大学進学に対する心理的特徴の国際比較も可能ではないかと考えられる。 最後に本研究のまとめを述べたい。大学のアドミッション部門関係者だけではなく、高校教員及び高校生に対する調査も同時に実施することが本研究の大きな特徴であった。大学入学者選抜の評価指標は、やはり前後の教育システム(中等教育及び高等教育)の特徴に大きく関与していることが再確認された。英国と日本では、早期に専門化する傾向が強く、評価方法も専門分野を中心とする。一方、米国では専門化は大学院課程に主眼が置かれているようである。日本の大学入試に主体性評価を組み込む作業では、このようなシステムとしての高大接続の観点が重要であることが改めて指摘されるべきではないだろうか。高等教育でどのような主体的態度の育成を目指すのか、そのことが大学入試における主体性評価の方法と内容を決定することになると考えられる。
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