2017 Fiscal Year Research-status Report
Identifying Learning Outcomes and Structures in International Network Learning for Higher Education Practice
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17K04577
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
丸山 英樹 上智大学, グローバル教育センター, 准教授 (10353377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊井 直比呂 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 准教授 (30600001)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 協働学習 / 変容的学習 / バルト海プロジェクト / ユネスコスクールネットワーク / ASPnet |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、理論の整理、現地調査、大学教育としての試行を行った。 (理論研究)これまでの研究を継続する形でASPnetの実践に関する国内外の文献調査の他、学習理論として「変容的学習」に関する国際動向を概念整理する。その中でDeSeCo三側面「活用」「協働」「自律」と「省察」に留意し、学習成果の認知領域及び非認知領域の研究理論を整理し、包括的な学習成果の捉え方を抑える。 (現地調査)代表者と分担者がこれまで行った調査で得られた知見を深化させ、現地では実践手法の体系化を前提に調査する。特に、国際協働学習ネットワークとしての特徴の本質を捉えるため、「道具的学習への期待が保護者や産業界から高まる場合、いかに扱うか」、「コミュニケーション的学習を運用する場合、いかなる工夫を必要とするか」、「省察的学習を個人で終わらせることはないのか」を重点的に観察及び聞き取り調査を行った。その結果は、学会発表および学内発表会で共有した。国内の調査対象は分担者が扱う大阪ASPnet実践校、海外では代表者が追いかける「バルト海プロジェクト」で実践が盛んなエストニアへ調査に赴いた。 (大学教育での試行)現地調査を経て、代表者および分担者の所属先において実践プログラムを「変容的学習」モデルとして試行した。代表者は、エストニアへのスタディツアーという形態で、学習者(学生・教員)間の協働学習を促進させた。来年度に向けた課題としては、オンラインでの直接交流プログラムの開発が挙げられるが、およその目処は立っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論研究では、イベント的な先行事例が多いが、ようやく近年になって分析が国際的にも共有される時期となり、本研究の展開に示唆深いものが出版されるようになってきているためである。現地調査については、目下、特に問題なく進んでおり、2018年度の調査に向けた準備および協力体制が確保できている。大学教育への試行・援用については、大学間の交流プログラムとの連動させた形で展開できる予定であり、順調な展開が予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は、試行から援用に向けた準備と検証が必要となる重要な研究ステージにある。現地パートナーとはWhatsAppやSNSで頻繁にコミュニケーションを取っており、また日本側では合同ゼミや合宿などの機会を準備しており、同時に参与観察および聞き取り調査に向けた調整を行う予定となっている。 9月中旬からの現地調査・参画が、2018年度のピークとなる。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、研究分担の所属先およびフィールドである関西方面での教育実践に関する調査を4回行う予定であったが、代表者が日本比較教育学会事務局長に該当年度6月に選出されてしまい、その業務に不慣れであったこともあり、国内(関西方面)調査に出向くことができなかったことが最大の理由である。ただし、分担者による来年度以降に向けた整理はできており、現地での謝金および代表者の国内訪問聞き取り調査で使用する計画となっている。
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Research Products
(5 results)