2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K04618
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
日吉 和子 同志社女子大学, 看護学部, 助教 (80760248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 直也 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (40526878)
BECKER CARL.B 京都大学, 政策のための科学ユニット, 研究員 (60243078)
福山 秀直 京都大学, 充実した健康長寿社会を築く総合医療開発リーダー育成リーディング大学院, 特任教授 (90181297)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 看取り / 在宅看護 / 在宅ケア / 社会福祉 / 高齢者福祉 / 神経科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の超高齢社会は新たな局面を迎えており、2025 年に団塊の世代が後期高齢者になることで多死社会に突入する。今後の問題は、膨れ上がり続ける医療費の削減であり、厚生労働省は病床数を大幅に削減し、現在約15%である「在宅死」を2038年には40%までに引き上げる目標を打ち出した。この目標に伴い、在宅で看取りを行う家族介護者が増加する見込みである。しかし、一般人が「看取り」について学習する機会は皆無である。 先行研究では、専門的知識を持つ介護職者でさえ「看取りについて精神的負担がある者」が約7割いた。また、看取りの精神的負担はうつ等の精神疾患のリスクを高めるため、家族介護者の「看取り」に関する対策は急務である。 そこで、本研究の目的は看取りに関する知識の提供を基礎とした「看取り教育」のプログラム開発を行い、評価は脳科学の知見からも補完しつつ、多角的に行うこととした。 平成29年度は在宅看取りをした経験のある元家族介護者からのインタビュー調査を行った。平成30年度は調査対象の26名分の質的分析を行い、看取り時の介護者の死生観、他界観が看取り時の恐怖と関連していることを明らかにした。また、男女において他界後の困難が違い、男性元介護者は特に死後の事務手続き(役所、銀行、生命保険等の手続き)に困難を感じていた。このことより、看取り教育のプログラムには、死生学に関するの知識提供、及び死後の手続きなどのカリキュラムが必要なことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プログラム開発に関しては、インタビュー調査の被験者に予定していたより多くご参加いただいたことで、質的データが多くなり、分析に時間がかかったため予定よりやや遅れ、プログラム開発に進む時間が遅れた。現在はプログラム開発について項目を設定し、進めている。 また、研究代表者の研究機関の移動があったため、研究の進展がやや遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
プログラム開発後、倫理委員会の申請を行う。その後、被験者数名を対象にプログラムの実施を行う。その際、実施前後での脳画像撮像及びアンケート調査を行い、教育効果の評価をする。主評価は、死への恐怖感情の低減が教育を受けた後では低減するかどうかであり、その評価を受けてプログラム開発の改良を行う。更に改良したプログラムを約15名に実施し、脳画像撮像及びアンケート調査を行い教育効果の評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究がやや遅れたことにより、看取り教育プログラムの実施が遅れており、謝金、脳画像撮影の費用がそのまま繰り越すこととなった。
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Research Products
(4 results)