2018 Fiscal Year Research-status Report
教員評価における成果報酬に連動した勤務評定に対する「納得度」の向上策に関する研究
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17K04623
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
諏訪 英広 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (80300440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高谷 哲也 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (00464595)
湯藤 定宗 玉川大学, 教育学部, 准教授 (20325137)
林 孝 広島大学, 教育学研究科, 教授 (30144786)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 教員評価 / 成果報酬 / 納得度 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に実施した質問紙調査の結果を,日本教育経営学会研究大会()で発表し,その成果を所属大学研究紀要にまとめた。論文の概要は以下の通りである。 本稿の目的は,公立学校教員を対象とする質問紙調査データの分析を通して,教員評価制度における成果報酬に連動した勤務評価に対する被評価者の「納得度」の実相とその影響要因を明らかにすることである。分析の結果,次の諸点が明らかになった。 ①自己申告による目標管理及び勤務評価の効果について,教員個人の面では一定の効果が意識されているものの,組織性・集団性の面での効果が意識されていない。 ②教員は日常の校長との関係や校長の評価姿勢や評価力に対して比較的肯定的な意識であり,特に,小学校,中学校でその傾向が強い。③処遇反映結果(成績区分)に対する意識について,処遇反映結果(成績区分)に対して,「自己評価通りである」という意識が強く,処遇反映結果に対する納得度と理解度については,両者ともに比較的肯定的な意識である。学校段階間の有意な差は認められない。④新しい人事評価制度の目的と仕組み・内容の認識は比較的肯定的なものである一方で,それらの妥当性に対して,否定的な意識である。また,制度における結果及びプロセスの公正性に対して,否定的な意識である。⑤処遇反映結果に対する納得度に影響を及ぼす要因について,全体において,「制度の『プロセスの公正性』」,「処遇反映の自己評価」,「校長の評価姿勢・評価力」, 「制度の仕組み・内容の認識」,「目標管理の諸取組の意義」,「制度の仕組み・内容の妥当性」が有意な正の影響を及ぼしている。⑥理解度に影響を及ぼす要因について,全体において,「目標管理の諸取組の意義」,「制度の目的の認識」,「処遇反映の自己評価」,「制度の『プロセスの公正性』」,「制度の仕組み・内容の妥当性」が有意な正の影響を及ぼしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に実施した質問紙調査の結果を学会にて発表し,かつ,論文としてまとめることができた。また,初年度に引き続き,継続的にインタビュー調査を実施し,最終年度に予定されている第2回質問紙調査の実施に向けた情報収集ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に実施した質問紙調査,初年度及び昨年度に実施したインタビュー調査の結果を踏まえて,最終年度に,第2回質問紙調査を実施する予定である。計画としては順調と言えるが,「学校の働き方改革」が進められている最中の調査となるため,学校に配慮しつつも,しっかりとした調査を実施できるよう準備(関係者に対する協力依頼等)を進めていく。
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Causes of Carryover |
当初計画よりインタビュー調査の実施回数が少なくなったことによって次年度使用額が生じた。
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Research Products
(2 results)