2020 Fiscal Year Research-status Report
教員評価における成果報酬に連動した勤務評定に対する「納得度」の向上策に関する研究
Project/Area Number |
17K04623
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
諏訪 英広 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (80300440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高谷 哲也 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (00464595)
湯藤 定宗 玉川大学, 教育学部, 教授 (20325137)
林 孝 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 名誉教授 (30144786)
柏木 智子 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (90571894)
田中 真秀 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (50781530)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 教員評価 / 成果報酬制度 / 勤務評価 / 納得度 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度末に日本学校改善学会で研究発表した内容をもとに,2021年3月に,川崎医療福祉学会誌に投稿した。タイトルは,「教員評価制度における処遇反映の結果に対する被評価者の『納得度』に関する定性分析―自由記述データによるテキストマイニング―」である。論文の目的は,教員評価制度における成果報酬に連動した勤務評価に対する被評価者の納得度の向上に関する示唆を得るために,テキストマイニングを用いた自由記述データの分析によって,納得度の向上の関連要因を統計的・構造的に明らかにすることである。分析の結果,以下3つの主要な知見が得られた。 第1は,校長による授業・子どもの観察,公正・公平な客観的判断,成果・処遇反映の説明が主要な要因である。第2は,それらの要因の中心に位置づくのは校長との関係である。第3は,「仕事内容の相違による公正・公平評価の難しさ等の理由から,成果報酬制度は教育現場になじまない制度である」という納得度の向上を検討する以前の教員の否定的認識も強いことも挙げられる。付け加えるならば,成果報酬制度に対する否定的認識が強いことを考えると,成果報酬制度の再設計や運用の改善によっては解決し得ない根本的な問題があることも浮き彫りになった。現在,再査読中であり,2021年7月頃の発行を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度に実施予定の研究は,「教員評価制度における処遇反映の結果に対する被評価者の『納得度』を規定する要因」を明らかにするための郵送質問調査であった。2017年度に実施した同内容調査との経年比較分析を主目的としていた。 しかしながら,2019年度末からの新型コロナ感染症の影響により,混乱と多忙を極める調査対象者(学校関係者)に対する調査は現実的でなく中止せざるを得なかった。 2021年度は,コロナ状況及び調査対象者の状況等を鑑みつつ,調査協力者との調整を含め,予定されている調査を実施するよう努めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
前記したように,2020年度に実施予定の研究は,「教員評価制度における処遇反映の結果に対する被評価者の『納得度』を規定する要因」を明らかにするための郵送質問調査(2017年度に実施した同内容調査との経年比較分析を主目的)は,2019年度末からの新型コロナ感染症の影響により,混乱と多忙を極める調査対象者(学校関係者)に対する調査は現実的でなく中止せざるを得なかった。 今後(2021年度)は,コロナ状況及び調査対象者の状況等を鑑みつつ,調査協力者との調整を含め,予定されている調査を実施するよう努めたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響により,予定された調査が実施できなかったため。 2021年度は, 2017年度に実施した質問紙調査との経年比較分析のための第二次質問紙調査を実施する。その際,コロナ状況及び調査対象者の状況,予算残額等を鑑みつつ,調査規模等を再検討の上,実施する必要がある。
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