2017 Fiscal Year Research-status Report
保育者における省察の構造の検討と養成・研修で利用し得る演習教材の開発
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17K04664
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
中川 智之 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (50462049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 勇人 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (50341144)
中原 朋生 川崎医療短期大学, 医療保育科, 教授 (30413511)
大江 由美 川崎医療短期大学, 医療保育科, 特任講師 (20791411)
入江 慶太 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (10508972)
伊藤 智里 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (90413525)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 保育者としての成長 / 省察 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、主に保育者としての成長と省察の枠組みの変容に関する検討を行った。また、研究を推進していくために必要となる倫理的な配慮について、川崎医療福祉大学倫理委員会に申請し、承認を受けた(承認番号17-083)。加えて、平成30年度に実施予定の保育映像を記録する園について、検討を行った。 平成29年度に実施した具体的な調査としては、熟練の保育者を対象に半構造化面接による聞き取り調査を実施した。ライフライン法を援用し、保育者養成校入学時から現在までの自身の保育者としての成長についてラインで視覚的に示して貰った上で、そのラインに沿って話を進めていった。 その結果、初任時には同年齢の子どもを担当する先輩教諭からの影響が大きいことが示唆された。具体的なモデルの存在により、自分の保育との相違や、それぞれが担任する幼児の姿との相違が明確となり、保育における省察の観点に影響を与えると考えられる。 また、新たな役割を担ったり、新たな環境に身を置いたりすることが成長の契機となることも示唆された。それまでとは異なる環境を経験することが、保育者としての成長に繋がる可能性がある。しかしながら、環境の変化による負担やある種のリスクの存在も示された。困難時に支えてくれる人間関係を保持している時期の方が、保育者としての成長に関する実感をもっていた。 総じて、異なる保育との出会いやある種の困難との出会いにより、それまでとは異なる方法や認識を得て成長に繋がると考えられる。今後、保育者としての成長と省察の枠組みの変容との関連について調査を継続し、省察の構造の詳細を明らかにすることが今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、保育者としての成長と省察の枠組みの変容に関する検討を実施してきた。今後調査を継続し、保育者としての成長と省察の枠組みの変容との関連について、より詳細な検討を実施する予定である。また、平成30年度に主に取り組む予定である、保育者における「行為の中の省察」の解明を実施するために必要な保育実践のビデオを作成するための準備も進んでおり、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、保育者としての成長に関する聞き取り調査を終え、「行為の中の省察」の構造を明らかにするために、オン・ライン・モニタリング―オフ・ライン・モニタリングを用いた調査に着手する。調査を実施するためには、保育者に視聴して貰う映像の録画・編集・作成をする必要がある。近隣の園において研究の協力を仰ぎ、保育の映像を録画する予定である。その際、複数のカメラを用いて撮影するなど、環境構成・子どもの表情・保育者とのやりとり等の様々な情報が得られる映像となるよう留意する。 映像作成後、初任・中堅・熟練の保育者の協力者を募り、オン・ライン・モニタリング―オフ・ライン・モニタリングを用いた調査を実施する。作成した映像を協力者が視聴する際に、実践者として気がついたことを逐次発言して貰い、その音声を録音する。回収されたデータについて、発言の主題、文節数、内容等の分析を進め、「行為の中の省察」の構造の解明を図る。
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Causes of Carryover |
聞き取り調査実施時のテープの書き起こし費として使用する予定だったが、現在調査を継続中のため。翌年度分として請求した助成金と合わせて、調査・研究旅費、研究の成果発表の際の旅費、調査協力者への謝品費、テープの書き起こし費等に使用予定。
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Research Products
(2 results)