2019 Fiscal Year Research-status Report
保育者における省察の構造の検討と養成・研修で利用し得る演習教材の開発
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17K04664
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
中川 智之 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (50462049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 勇人 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (50341144)
大江 由美 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (20791411)
入江 慶太 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (10508972)
重松 孝治 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (80461242)
小合 幾子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (10827067)
岡正 寛子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (20410938)
荻野 真知子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教 (60847945)
三宅 美智子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (10827455)
中原 朋生 環太平洋大学, 次世代教育学部, 教授 (30413511) [Withdrawn]
伊藤 智里 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (90413525) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 保育者の成長に伴う省察の変化 / 保育者の成長の契機 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、中堅及び熟練の保育者への聞き取り調査の結果をまとめた。また、平成30年7月に発生した豪雨の大きな被害により実施できなくなっていた、保育者における「行為の中の省察」に関する調査で用いる保育実践の撮影を、災害から約1年が経過し落ち着きを取り戻した秋以降に再開した。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の予防対策のため、映像の撮影を完了することができていない状況である。 中堅及び熟練の保育者が成長の契機として捉えていたものは、初任園での経験、他の先生の保育を見る経験、一緒に保育を進める経験、特別な支援を必要とする子どもとの経験、研究・発表の経験などであった。成長に伴う省察の変化としては、①子どもによる立場・視点の違いを踏まえた省察(視点の増加)、②保育のねらいと内容に対する省察、③省察できる時間の拡大、④子どもの育つ力への省察、を指摘することができた。 ①子どもによる立場・視点の違いを踏まえた省察については、特別な支援を必要とする子どもとの関わりや、一緒に保育を進めたり、事例をまとめたりする経験が、子どもによる立場・視点の違いを踏まえた省察や、複数の視点の獲得につながっていた。 ②保育のねらいと内容に対する省察、及び③省察できる時間の拡大については、経験の積み重ねによりイメージできる期間が延び、10年程度の経験により、年度末くらいまでのイメージを思い描き保育できるようになっていた。卒園までのイメージを具体的にもって保育できるようになったのは、主任をするくらいの中堅後半(経験15年程度)ということであった。 ④子どもの育つ力への省察についても、10年程度の経験後可能になっており、子どもへの支援について、様々な方法のもつ効果のバランスに配慮しながら、支援の方法やタイミングを見極めて選択できるようになったのは、20年程度の経験を積んでから後ということであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成30年度は、7月に発生した豪雨による災害により近隣の地域は大きな被害を受け、その対応に多くの時間を要した。また、地域の保育現場も災害への対応及び被害の大きい地域へのフォローが必要となり、保育者における「行為の中の省察」の解明を実施するために予定していた保育実践のビデオ撮影が、非常事態の発生により実施することができなかった。 令和元年度には、上記の災害から約1年が経過し落ち着きを取り戻した秋以降に保育実践のビデオ撮影を再開することができたが、新型コロナウイルス感染症の予防対策のため撮影ができなくなり、完了することができていない状況である。 上記の理由により、当初の計画よりも遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、新型コロナウイルス感染症の社会おける状況を見定めて、調査が可能になった時に保育実践のビデオ撮影を完了し、その後の調査を実施できるようにしたい。そのためにも、同時並行で、撮影後の保育者における「行為の中の省察」に関する調査で使用するための機器の準備を進めたい。 なお、新型コロナウイルス感染症の影響により予定していた撮影が実施できなかった時を想定し、保育者の養成・研修で利用し得る省察の力を向上させるための演習教材に関する考察を進め、演習教材に関する提案ができるよう努めたい。
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Causes of Carryover |
映像作成に関する調査・研究旅費、調査協力者への謝品費等として使用する予定だったが、前述した通り、平成30年7月に発生した豪雨災害及び新型コロナウイルス感染症の発生の影響を受け、当初の計画よりも研究に遅れが生じたため。今後、調査・研究旅費、研究の成果発表の際の旅費、調査協力者への謝品費等に使用予定。
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Research Products
(2 results)