2021 Fiscal Year Research-status Report
保育者における省察の構造の検討と養成・研修で利用し得る演習教材の開発
Project/Area Number |
17K04664
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
中川 智之 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (50462049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 勇人 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (50341144)
大江 由美 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (20791411)
入江 慶太 新見公立大学, 健康科学部, 講師 (10508972)
重松 孝治 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (80461242)
小合 幾子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (10827067) [Withdrawn]
岡正 寛子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (20410938)
荻野 真知子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教 (60847945)
三宅 美智子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (10827455)
藤澤 智子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (80368729)
松本 優作 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教 (50826542)
種村 暁也 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教 (00883167)
中原 朋生 環太平洋大学, 次世代教育学部, 教授 (30413511) [Withdrawn]
伊藤 智里 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (90413525) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 保育の振り返り / 指導計画 / 保育者とのコミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、養成・研修で利用し得る演習教材の開発を視野に入れ、保育者としての成長や省察の向上が促進される契機や要因について検討するために、中堅の保育者(保育所保育士)を対象として、聞き取り調査を実施することができた。対象とした4名全員が、指導計画を通して、子どもを捉える力や保育力が向上したと考えていた。特に、計画作成時には予測していなかったが実際に保育中に見られた子どもの姿を赤色で加筆していくことを通じて、子どもを的確に捉える力が増したと考えていた。予測していない子どもの姿も捉えようとすることにより、それまではあまり捉えられていなかった子どもの姿を捉えることができるようになったと考えられる。保育者の見る視点が変化し、遊び自体がどう変化したのか、遊びとは関係のない子どもの行動も捉え、振り返ることができるようになっていた。 また、全ての保育者から、提出した指導計画に記載される園長からのコメントや直接の助言により保育観が高まったという声が聞かれた。自身とは異なる視点で保育について検討する機会が、保育力の向上を促進したと考えられる。さらに予測していなかった子どもの姿を赤色で書き加えることにより、俎上に載る子どもの姿の幅が広がり、それまで以上に様々な子どもや保育に関する園長とのコミュニケーションが生まれたことが考えられる。 加えて、予測していなかった子どもの姿をもとに次の日の保育を考える経験を積むことにより、子どもの興味や主体性を尊重した保育への意識が向上していくことが示唆された。またノンコンタクトタイムの存在が、上記の振り返り及び他の保育者とのコミュニケーションの量と質を向上させ、保育者としての成長を促進していることも示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの蔓延により、研究を推進しがたい状況が続いている。2021年度は、それまでに比べ、少し前進することができた。次年度にはさらに研究を推進できるよう努めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究により、予測していなかった子どもの姿を捉え、その姿に応じた保育の方法を考えることが保育者としての成長を促進することが示された。今後は、その振り返り方法の有益性について詳細に検討し、教材としての利用を視野に入れた論文を執筆する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、研究を推進しがたい状況が続いていたため。今後、教材の開発に関する書籍等の購入費、研究発表に関する費用等として使用予定である。
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Research Products
(1 results)