2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research on education programs and the tuning of vocational competency in business fields
Project/Area Number |
17K04722
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
江藤 智佐子 久留米大学, 文学部, 教授 (30390305)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椿 明美 札幌国際大学, 人文学部, 教授 (00320581)
和田 佳子 札幌大谷大学, 社会学部, 教授 (80248666)
吉本 圭一 滋慶医療科学大学院大学, 医療管理学研究科, 教授 (30249924)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 学修成果 / 職業コンピテンシー / チューニング / 職業統合的学習(WIL) / 守破離 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年2月からのコロナウイルスの感染拡大により、3月に予定していた研究発表が中止となったことで、本科研の研究成果公表の充実をはかるために1年間研究期間を延長した。 2020年6月開催の日本ビジネス実務学会全国大会では、学術と職業の分野間・レベル間チューニングに関する内容として、日本的文脈を考慮した記述語(descriptor)について指摘した。これまでの研究成果をまとめると、特に職業分野においては、日本的文脈下において分野共通の記述語(descriptor)を策定する必要があった。また、開発担当者間での議論は、エキスパート・ジャッジメントの可能性を示唆するものであった。具体的には、分野間のレベル認識の理解促進のためには、日本的文脈と専門分野固有の現場の文脈を考慮した代替用語によるメタ認知が必要であった。一元化された能力形成がみられる訓練型での技能を例としてみると、日本の伝統芸能で用いられてきた「守破離」という用語を用いることで共通認識が促進された。また、教育と職業の対話の場での特徴としては、分野固有の教育プログラムや労働市場の実情がレベル認識の障壁となり、共通理解のための議論に時間を要するという課題も明らかになった。さらに、共通認識と理解を得るための会議等での議論はエキスパート・ジャッジメントの機能を有していた。日本の萌芽的なNQF(National Qualifications Framework)の取り組みは、これまで学術の世界だけで議論されることが多かったエキスパート・ジャッジメントが、学術と職業のレベル間チューニングプロセスにおいても有用な方法として機能していることが明らかになった。
|