2017 Fiscal Year Research-status Report
小学校家庭科における生活時間調査を教材とした新たなESD授業開発
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17K04733
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小野 恭子 弘前大学, 教育学部, 講師 (60634558)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 生活時間 / 小学校家庭科 / 職業による影響 / 季節による影響 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は実施計画に基づき、降雪地帯である弘前市において高学年を対象とし、生活時間調査を実施した。選定地区は、リンゴ農園が多い地域4校と市街地地域5校である。調査実施時期及び回数は、リンゴの収穫時期である秋と農作業がひと段落し降雪時期である冬の2回である。 これらの生活時間調査を、大分類を収入労働時間・家事時間・生理的生活時間・学習時間・余暇活動時間の、小分類を家事時間を3項目、生理的生活時間を四項目、学習時間を3項目、余暇活動時間を4項目に分け、集計を行った。 両時期の調査結果を比較したところ、秋にはリンゴ農家が多い地域では、収穫を手伝っているか、家庭の仕事を手伝っている児童が多く見られた。これに対して市街地の学校では、習い事にかける時間が多く、練習試合などによって移動時間が多い生活をしていることがわかった。しかし冬になると両地域での差は縮まり、差は大きく見られなくなった、これらのことから、農家においては、季節による変化が大きいことがわかった。さらに青森県の特徴である温泉を娯楽として、家族でおこなっている様子も伺えた。 さらに、通学時間が長い弘前大学教育学部附属小学校において、1時間で行える授業計画及び教材研究を行い、この授業計画及び教材を活用し授業実践を行なったところ、1時間でも生活時間調査を教材とした授業ができることが明らかになった。児童の学びでは自分の生活の特徴及び生活の違いについて理解ができることがわかった。ただし、ESDのどのような学びにできたのかについては、更なる分析が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
農村地帯および市街地において、9校の秋・冬の生活時間調査結果を得られたことである。これらの結果から農村地帯及び市街地において、児童の生活の差が明らかになり、季節による差が大きいのは農村地帯であることも示唆された。 さらに、これまでの課題とされていた2時間かかる生活時間調査を教材とした授業を教材の開発による1時間でも実施できることが確認されたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
農業に従事していない親世帯が多い青森市中心部および降雪が少ない八戸市において同様な調査を実施する予定である。さらに公立学校において今年度開発した生活時間調査を教材とした授業実践を行ってもらい、1時間でできるのか、児童の学びは確実なのかについて検証を行う予定である。 附属小学校と公立小が校での授業による児童の学びから、共通点・相違点を探り、ESDのどのような学びにつながるかを考察し、授業改善に望む。
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Causes of Carryover |
今年度の調査対象である弘前市の小学校周辺における生活環境を調査するための経費を計上していた。しかし平日に調査に行くことが難しく休日に自家用車で校区の調査を行ったため出費を抑えることができた。また授業のプロトコル入力のために謝金を予定していたが、自分で入力したためそのための謝金、および物品が必要でなかったためである。 来年度は、青森市及び八戸市の調査を予定しているが、調査依頼に伺う交通費、校区の調査を行うための交通費、さらに生活時間調査のための通信費および、データー入力の経費に計上する。さらにこれまでの調査結果を発表するための研究発表費および交通費等として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)