2021 Fiscal Year Research-status Report
小学校家庭科における生活時間調査を教材とした新たなESD授業開発
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17K04733
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小野 恭子 弘前大学, 教育学部, 講師 (60634558)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生活時間 / 小学校家庭科 / ESD |
Outline of Annual Research Achievements |
青森県内の公立小学校における家庭科授業担当教諭に対して、生活時間を扱った授業実態についてアンケート調査をおこなった。またその結果を令和3年度家庭科教育学会東北地区会にて発表した。 アンケート調査では有効回収率が64%となった。調査項目は(1)担当している教員の経験年数・属性(2)生活時間の授業実施時期の理由(3)生活時間の時間数とその理由(4)生活時間調査の実施の有無・調査曜日・調査時間単位・調査用紙(5)授業の目的(6)参考にしたい生活時間調査(7)知っている生活時間調査についてとした。 アンケート結果から、児童の生活時間調査を記入させていると答えた割合は84.9%となっており、授業中に記入の時間をとっている割合は88%となった。また授業の目的は、生活リズムを見直す、時間を有効に使う工夫を見つける、家族に協力する時間を作る工夫を見つけることができる、時間を有効に使う方法を実践することができるの項目で半数を超えた。また、生活時間の授業を行なう上で、必要な教材として、全国の子どもの生活時間の次に、青森県の子どもの生活時間、更にタブレット端末等で生活時間を入力できるソフトが挙げられた。このことより、子どもの実態に合った生活時間のデータや時間の集計が簡単にできるソフトが教育現場では求められていることが明らかとなった。しかし、地域の特徴やジェンダーバイアス、年齢による生活の違いなどに注目させて授業実践をしている割合が低いことも明らかとなった。このことから、ESD及びSDG'sに対応した生活時間を扱った授業にするためには、新たな授業実践の紹介や可能性について研修会等で広めることが求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスによる影響で、学校現場での授業見学などに制限がかかり、授業実践及び実践分析を行なうことができていない。また新たな授業実践の授業実践例や教材の分析について紹介する場が限られていたため。
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Strategy for Future Research Activity |
小学校現場での授業実践の検証を公立小学校で実施し、その授業実践における児童の学びを授業記録やワークシート等から分析を行なう。また、これまでの指導書の内容とESD及びSDG'Sの観点を含めた授業実践を比較し、教師が教材についてどのような解釈をもつことができたのか、授業実践の方法の違い、児童の学びの違い等についても分析を実施する。 さらに限られた時間内で実践可能な指導案を作成し、実際に授業実践に結びつけられるように広報活動を行ない、授業実践数を増やし更なる分析を行なう。また授業実践から得られた成果について学会発表等で報告を行なう。
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Causes of Carryover |
使用予定であったアメリカでの国際学会が2022年8月に延期された。また国内で参加した学会もオンラインでの開催に変更され、国内の学会参加に関わる旅費を使用しなかったためである。 授業実践に伴う授業記録のための旅費及び撮影に関わる消耗品の購入、実践を行なった授業での教師と児童の会話についての文字おこし及びワークシートの分析のための入力に関わる人件費等に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)