2017 Fiscal Year Research-status Report
中学校・高等学校数学科における「割合」の活用力育成をめざしたカリキュラム開発研究
Project/Area Number |
17K04766
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
熊倉 啓之 静岡大学, 教育学部, 教授 (00377706)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松元 新一郎 静岡大学, 教育学部, 教授 (40447660)
早川 健 常葉大学, 教育学部, 准教授 (40585387)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 数学教育 / 割合指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,これまでのフィンランドの数学教育に関する研究成果を踏まえて,特に中学校・高等学校数学科の指導に焦点を当て,「割合」の理解を深め活用力を育成する指導のあり方を追究し,小・中・高を一貫した「割合」指導のカリキュラム提言を行うことを目的としている。1年次に当たる平成29年度は,以下の1~4の通りに研究を進めた。1,2,4は計画した通りに進めることができ,3は平成30年度に計画していた内容を,一部前倒しで進めることができた。 1 研究メンバー全体による全体会を2回(6月,8月)開催し,研究内容,研究計画について全体で共有するとともに,割合に関する先行研究を調査・分析して,中学校や高等学校における割合指導のあり方や,割合の理解や活用力に関する実態調査の内容について検討した。 2 調査問題を作成し,年度末(1~3月)に,中学生,高校生(約2400人)を対象に実施した。併せて,大学生にも同様の調査を次年度に行うこととした。 3 中学,高校で1回ずつ(10月,12月),割合の活用力に関する授業実践を行い,生徒の理解の様相や指導のあり方について追究した。 4 フィンランド(2月)を訪問し,中学校1校,高等学校2校を訪問して授業を観察して,割合指導についてインタビュー調査を実施した。また,フィンランドの数学教育研究者と共同セミナーを開催して,それぞれの国の割合指導について比較検討した。さらに,共通の調査問題の実施・分析の方法について,具体的な計画を立てた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画以上に進展している内容は,次の3点である。 1 次年度に実施する予定であった中学校,高等学校での授業実践を,一部前倒しで実施することができた。 2 割合の理解や活用力に関する実態調査の規模について,当初は,中学生・高校生合わせて1000人程度を想定していたが,合計2400人程度の規模で実施することができた。 3 割合の理解や活用力に関する実態調査について,同じ問題を将来小学校教員を目指す大学生を対象に実施する計画を新たに加え,次年度に実施することが決まった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は,次の通りである。 1 今年度実施した調査の結果を分析し,中学生,高校生の割合の理解と活用力に関する実態を明らかにすること。合わせて,大学生対象の調査を実施し,結果を比較分析すること。 2 フィンランドの中学生,高校生を対象とした調査を実施し,日本とフィンランドの割合の理解と活用力に関する実態を比較検討すること。 3 1,2の調査結果も踏まえて,さらに中学校,高等学校での割合指導のあり方を追究し,中学校,高等学校で実際に実践してその有効性を検証すること。 4 以上の結果を踏まえて,小・中・高を一貫した「割合」指導のカリキュラム提言を行うこと。
|
Causes of Carryover |
調査問題の印刷・郵送費が,メール等を利用したこともあり,残額が発生した。残額については,次年度分と合わせて,新たに計画し実施予定の大学生調査の集計データ費に充てる予定である。
|
Research Products
(1 results)