2023 Fiscal Year Annual Research Report
Globalization and the Formation of National Culture Viewed thtough Arts Education in Asia
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17K04793
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石井 由理 山口大学, 教育学部, 教授 (70304467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 隆眞 山口大学, その他部局等, 名誉教授 (00142761)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 国民文化 / アジアの芸術教育 / 学校教育 / 国民アイデンティティ |
Outline of Annual Research Achievements |
19世紀に西洋近代がアジアに到達して以来、アジアではそれまでの伝統的な文化の中に西洋から入ってきた文化を取り入れて、新たな文化を形成してきた。そしてその取り入れ方は、その国が独立国であったか、イギリスやオランダの西洋の国の統治下にあったか、あるいは日本の統治を経験したかによってさまざまに異なり、今日に至る国民文化形成にも影響している。そして20世紀末からのグローバル化の加速によって、また新たな段階に入ったと考えられる。そこで本研究では、アジア各国における文化のグローバル化と伝統文化の関係と、それが学校の芸術教育をとおして国民文化形成にどのように関連しているのかを明らかにすることを試みた。 音楽分野では、台湾、韓国、シンガポール、インドネシアにおけるナショナルカリキュラムや教科書を分析するとともに、若者の自国文化認識を、アンケート調査をとおして考察した。その結果、学校教育ではいずれも普遍的なものとして西洋音楽理論を学ぶ一方、独自の国民文化として学校で教える音楽は、それぞれの歴史的、社会的背景によって異なり、若者の認識もまた各国で異なることが明らかになった。 美術分野においては、上記に加えてベトナム、マレーシアをも事例として、福田の唱える近代美術の四層構造(民族の伝統文化(アイデンティティの基盤)、西洋文化の影響(グローバル化第一段階)、近代美術とデザインの国際様式(グローバル化第二段階)、現代美術(グローバル化第三段階))に当てはめて分析し、各国におけるそれぞれの層の出現のあり方を示した。
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Research Products
(7 results)