2021 Fiscal Year Annual Research Report
Formulation of childcare and education programs that aim for independence and coexistence from the back-and-forth between the fictional world and the real world
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17K04808
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Research Institution | Fukuyama City University |
Principal Investigator |
森 美智代 福山市立大学, 教育学部, 教授 (00369779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光本 弥生 広島修道大学, 人文学部, 教授 (80280155)
倉盛 美穂子 日本女子体育大学, 体育学部, 教授 (90435355)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 虚構体験(文学体験) / 保幼小接続 / 自立と共生 / 自他尊重 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「虚構世界との往還から自立と共生を目指す保育・教育プログラムの策定」を目的としている。そのために、多様な価値観が併存する社会を生きる子どもたちが自らの足場を築き、他者と共に生きるための保育・教育プログラムを構想し、保幼小それぞれの学校種において実践的に検証するものである。ただし、実際の保育・教育現場をフィールドとして教育実践を行いながら進める予定であった最終年度を、COVID19という予測不可能な状況によって計画通りに進めることができなかった。そこで、今後、新たに研究を再発信していくための調査と議論に多くの時間を費やした。 研究最終年度である本年度は、今後の展開に向けた(1)子どもの発達と虚構性(文学性)との関連に関する解明と、(2)自立と共生に関する集団・教室づくりの解明のための基礎作業を行なった。 (1)については、心理学・哲学・文学理論の領域を中心に、関連する文献を収集し、理論的な考察を進めた。 (2)については、COVID19の影響が予想以上に教育現場での調査を困難にしている状況に鑑み、長期的なフィールド調査の予定を変更し、質問紙や聞き取り調査を視野に、コロナ禍においても実現可能な調査方法の模索に向けた議論を進めた。結果として、どのような虚構体験が、自他尊重の意識の向上や協同的探究の実現・子ども間の共存感覚(co-presence)の構築に有効であるかを考察するための調査に可能性を見出すに至った。 今後の研究に向けて、Literary Response Questionnaire : LRQ ; (Miall & Kuiken, 1995)の検討を含め、物語への没入尺度(あるいは移入尺度)を作成し、5-7歳の子どもを対象とした虚構体験の実態調査を行うための準備を進めて いる。
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Research Products
(5 results)