2020 Fiscal Year Research-status Report
視覚・知的重複障害者の触読における般化の困難性の様相
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17K04928
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
佐藤 将朗 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (30352561)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 点字触読 / 視覚・重複障害 / 初期学習 / 読指運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
視覚・知的重複障害者の触読における般化の困難性の様相に関する研究は、視覚・知的重複障害者で点字触読の指導を受けて読み書きの手段として点字を用いている対象者が非常に少ないため、当初予定していた視覚特別支援学校小学部~高等部に在籍している視覚・知的重複障害児の触読の様相について検討することから対象者を変更し、視覚・知的重複障害児の点字初期学習における学習の困難性に絞って定義しなおし、研究を行っている。 これまでのところ、全盲・ASD児1名の点字初期学習に関するデータを論文として公表している。その内容は点字初期学習として手指の動きを伴う行たどり法を実践したところ、点字の物理的特徴としての点字を構成する点の数の違いと点の位置、また、読指する1行の前半部分に配置された点字の読み誤りが、1行の中間部と後半部に配置された点字よりも誤読が多かった。このことから、点字初期学習の段階から読指運動を用いた触読指導を行うことの有効性について強調したものとなっている。 現在全盲・ASD児1名のその後の点字触読の獲得状況について分析をしている。その結果、点字の学習効果として、簡単な単語の読みについては触読可能であることが確認できている。引き続き、触読可能な単語と触読が難しい単語の違い等について検討していく予定である。また、視覚的読みを含めた文字学習がほとんど成立していないが、指先で文字をタップすることが可能な弱視・知的重複障害児を対象とした点字初期学習についても検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
R2年度はコロナウィルス感染拡大の影響を受け、対象児の在籍している視覚特別支援学校への計画通りの訪問が不可能であった。数回の訪問を行うことができたため、使用可能ないくつかのデータを取得することができたが、論文として発表するには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
R3年度もコロナウィルス感染拡大の影響を受け、対象児の在籍している視覚特別支援学校への訪問は難しい可能性がある。しかし、対象児の担任教員の協力のもと、研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
R2年度は高額の点字プリンターを購入したが、研究目的の旅費等の使用がほとんどなかったことが理由となる。今年度は研究目的の旅費及び報告書の作成等など、計画的に残額を使用する予定である。
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