2018 Fiscal Year Research-status Report
Wienerの一般調和解析に端を発する関数空間の深化と展開
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17K05306
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松岡 勝男 日本大学, 経済学部, 教授 (70165778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水田 義弘 広島大学, 理学研究科, 名誉教授 (00093815)
中井 英一 茨城大学, 理学部, 教授 (60259900)
澤野 嘉宏 首都大学東京, 理学研究科, 准教授 (40532635)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | central Morrey-Orlicz空間 / Calderon-Zygmund 特異積分作用素 / central Morrey空間 / Bσ-関数空間 / central Campanato空間 / 一般化σ-Lipschitz空間 / 一般化σ-BMO空間 / central Morrey type 空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
関数空間のOrlicz versionと作用素の有界性について、海外協力者のLech Maligranda (Lulea University of Technology, Sweden)と始めた共同研究「非斉次central Morrey-Orlicz空間上での特異積分作用素の有界性」の共著論文「Calderon-Zygmund singular integral in central Morrey-Orlicz space」の雑誌Tohoku Mathematical Journalへの掲載が決まった。引き続いて、「非斉次central Morrey-Orlicz空間上でのRieszポテンシャルの有界性」の共同研究を始め、異なる非斉次central Morrey-Orlicz空間上におけるHardy-Littlewood-Sobolev型の有界性と弱有界性の結果を得た。 一般化Rieszポテンシャルとその有界性について、Bσ-Morrey空間上での有界性を示すことにより、Morrey空間上と非斉次central Morrey空間上の両方の有界性の結果を、非斉次central Campanato空間、一般化σ-Lipschitz空間、一般化σ-BMO空間を用いて得ることができた。そして、雑誌Banach Center Publicationsに論文標題「Generalized fractional integrals on Bσ-Morrey spaces」として投稿した。また、研究分担者水田義弘との共同研究「非斉次central Morrey type 空間上での極大作用素と一般化Rieszポテンシャルの弱有界性」の共著論文が、京都大学数理解析研究所の数理解析研究所講究録2095「関数空間の深化とその周辺」に掲載された。 Bσ-Campanato関数と特異積分作用素との多重線形交換子作用素の有界性について、ある程度の有界性の定式化を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関数空間のOrlicz versionと作用素の有界性については、特異積分作用素が強有界、弱有界となるための条件の結果が雑誌に掲載決定され、またRieszポテンシャルの有界性についても、強有界、弱有界となるための条件を見出すことができ、さらにその条件のOrlicz空間論的意味合いを示すことができたなど、当初計画した目的の達成度としてはおおむね順調に進展している。 一般化Rieszポテンシャルとその有界性については、Bσ-Morrey空間上での有界性を示すことにより、Morrey空間上と非斉次central Morrey空間上の両方の有界性の結果が得られることを示し、また非斉次central Morrey type 空間上での弱有界性を示したが、Campanato空間上とλ-CMO空間を含むcentral Campanato空間上での有界性の結果にはまだ至っていないことから、当初計画した目的の達成度としてはやや遅れている。 これに対して、重み付き非斉次central Morrey空間や重み付きλ-CMO空間上の特異積分作用素の有界性については、その変動指数versionを導くための適切な空間の定義と有界となるための重みの条件を調べることについてまだ端緒についたばかりであり、またBσ-Campanato関数と特異積分作用素との多重線形交換子作用素の有界性については、ある程度の有界性の定式化が見いだされたばかりであり、これからBσ-Morrey空間上で有界となるための条件を吟味する状況である。 以上のような状況から、当初計画した目的の全体としての進捗状況はやや遅れているということになる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者や研究協力者とこれまで以上に連絡を密にして、以下のようにして共同研究を推進していく。 関数空間のOrlicz versionと作用素の有界性については、共同研究「非斉次central Morrey-Orlicz空間上でのRieszポテンシャルの有界性」を、必要となるOrlicz-Lipschitz空間の適切な定義を模索するともに有界性の条件を見出し、さらにその条件をOrlicz空間論的に意味付けることにより、完成に向けて推進していく。 一般化Rieszポテンシャルとその有界性については、Campanato空間上とλ-CMO空間を含むcentral Campanato空間上での有界性を導くことを、適切な有界性の定式化をRieszポテンシャルの場合と比較することにより模索するとともに必要となる有界性の条件を見出すことにより、推進していく。 重み付き非斉次central Morrey空間や重み付きλ-CMO空間上の特異積分作用素の有界性については、その変動指数versionを導くことを、重み付き非斉次変動指数central Morrey空間の適切な定義を重み付き非斉次central Morrey空間および変動指数Lebesgue空間の場合との比較により見出し、さらに有界となるための重みの条件を調べることにより、またBσ-Campanato関数と特異積分作用素との多重線形交換子作用素については、ある程度完成している有界性の定式化が適切であることを、Bσ-Morrey空間上で有界となるための条件をBσ-Morrey空間上での交換子作用素の有界性の結果と比較して見出すことにより、推進していく。
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Causes of Carryover |
主に、年度末に必要となった購入分が翌年度購入分になってしまったために残額が生じてしまった。そこで、今年度掲載確定した論文のオープンアクセスのための論文投稿料が次年度必要となる予定であるため、残額分からの一部を投稿料の増額分として含めて使用したい。
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Remarks |
京都大学数理解析研究所に於いて、2018年11月26日~28日の期間で、研究集会 RIMS共同研究(公開型)「関数空間の一般化とその周辺」 を、研究代表者として開催した。
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Research Products
(20 results)