2019 Fiscal Year Research-status Report
Wienerの一般調和解析に端を発する関数空間の深化と展開
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17K05306
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松岡 勝男 日本大学, 経済学部, 特任教授 (70165778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水田 義弘 広島大学, 理学研究科, 名誉教授 (00093815)
中井 英一 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 教授 (60259900)
澤野 嘉宏 首都大学東京, 理学研究科, 准教授 (40532635)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | central Morrey空間 / central Morrey type 空間 / central Morrey-Orlicz空間 / λ-CMO 空間 / central Campanato空間 / Riesz ポテンシャル / d-modified Riesz ポテンシャル / Hardy-Littlewood-Sobolev |
Outline of Annual Research Achievements |
関数空間のOrlicz versionと作用素の有界性について、海外協力者のLech Maligranda (Lulea University of Technology, Sweden)と、共同研究「非斉次central Morrey-Orlicz空間上でのRieszポテンシャルの有界性」を昨年度から始め、異なる非斉次central Morrey-Orlicz空間上におけるHardy-Littlewood-Sobolev型の有界性のある程度の結果を得ていた。これに対して、研究協力者の古谷康雄 (東海大学) 等の論文「Fractional integral operators on central Morrey spaces, Math. Inequal. Appl., 20 (2017)」により、Hardy-Littlewood-Sobolev型のAdams型有界性はcentral Morrey空間上では成り立たないことが判明していたことから、急遽、Spann型有界性が成り立つための条件の妥当性の吟味が必要となり、その検討を始めることになった。 一般化 Rieszポテンシャルとその有界性について、以前に得た非斉次central Morrey空間上での有界性を、非斉次central Campanato空間上の有界性に拡張することができた。そして、proceedings of IWOTA 2019に論文標題「d-modified Riesz potentials on central Campanato spaces」として掲載が決定された。また、研究分担者水田義弘との共同研究「変動指数central Morrey type 空間と一般化Rieszポテンシャルの弱有界性」の共著論文が、新たな研究協力者を得て完成し、雑誌Kyoto J. of Math. に掲載が決まった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関数空間のOrlicz versionと作用素の有界性については、非斉次central Morrey-Orlicz空間上での極大作用素と特異積分作用素の有界性の結果に続いて、Rieszポテンシャルの有界性についても、強有界、弱有界となるためのOrlicz空間論的意味合いを示す条件を見出すことができたが、Adams型有界性がcentral Morrey空間上では成り立たないという事情により、Spann型有界性が成り立つための条件の吟味が必要になった。そのため、当初計画した目的の達成度としては進展がやや遅れてしまっている。 一般化Rieszポテンシャルとその有界性については、先ず、d-modified Rieszポテンシャルの非斉次central Morrey空間上での有界性の結果を、λ-CMO空間を含む非斉次central Campanato空間上に拡張できた。また、非斉次変動指数central Morrey type 空間上での極大作用素とRieszポテンシャルの弱有界性の結果を示すこともできた。このことから、d-modified RieszポテンシャルのCampanato空間上と非斉次central Campanato空間上の両方での有界性の結果にはまだ至っていないものの、当初計画した目的の達成度としてはおおむね順調に進展しているといえる。 これに対して、特異積分作用素の重み付き非斉次central Morrey空間上や重み付きλ-CMO空間上、さらにそれらの変動指数version上での有界性については、非斉次central Morrey空間上でのλ-CMO関数と特異積分作用素との多重線形交換子作用素の有界性とともに、見出した有界性の定式化の妥当性を吟味している状況である。 以上のような状況から、当初計画した目的の全体としての進捗状況はやや遅れているということになる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画した目的の全体としての進捗状況がやや遅れていることから、科学研究費助成事業の補助事業期間の延長を申請した。この補助事業期間の延長の承認により、研究分担者や研究協力者とこれまで以上に連絡を密にして、以下のような共同研究の仕上げを推進していく。 関数空間のOrlicz versionと作用素の有界性については、共同研究「非斉次central Morrey-Orlicz空間上でのRieszポテンシャルの有界性」を、Spann型有界性の条件をOrlicz空間論的に意味付けるとともに、必要となるOrlicz-Lipschitz空間の適切な定義と有界性の条件を見出すことにより、完成させていく。 一般化Rieszポテンシャルとその有界性については、d -modified RieszポテンシャルのCampanato空間上と非斉次central Campanato空間上の両方での有界性を、Bσ-Campanato関数上での有界性の結果を導くことにより、完成させていく。 重み付き非斉次central Morrey空間と特異積分作用素の有界性については、以前に示した非斉次central Morrey空間上でのRieszポテンシャルの有界性の重みの条件との、また重み付き非斉次変動指数central Morrey空間と特異積分作用素の有界性については、以前に得られた重み付き非斉次central Morrey空間上での特異積分作用素の有界性の重みの条件との、さらに非斉次central Morrey空間とBσ-Campanato関数と特異積分作用素との多重線形交換子作用素の有界性についても、ある程度完成している有界性の条件の妥当性と共に、これも以前に得ている非斉次central Morrey空間上でのλ-CMO関数と特異積分作用素との交換子作用素の有界性の結果との比較により、完成させていく。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大により、3月に予定されていた研究集会が中止となったため、予算計上していた研究集会参加のための旅費が未使用となり、研究分担者の分担金に残額が生じてしまった。そこで、次年度までの延長が承認された補助事業期間における研究分担者の分担金 (旅費) として使用する。
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Remarks |
京都大学数理解析研究所に於いて、2019年12月9日~11日の期間で、研究集会 RIMS共同研究(公開型)「関数空間論とその周辺」 を、研究代表者として開催した。
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Research Products
(17 results)