2019 Fiscal Year Research-status Report
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17K05392
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
坪井 陽子 中央大学, 理工学部, 教授 (70349223)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | フレア / X線 / 可視光 / モニター / 偏光 |
Outline of Annual Research Achievements |
X線天文衛星「すざく」を用いて、太陽光にあたっている地球の方向を衛星が向いている時のデータ(これは普段は捨てられるデータ)の中で、太陽フレアが起こっている最中のデータを解析し、プラズマ中の元素組成が変化する様子をとらえた(“Inverse First Ionization Potential Effects in Giant Solar Flares Found from Earth X-Ray Albedo with Suzaku/XIS” The Astrophysical Journal, Volume 891, Issue 2, id.126)。 8.5 日間にわたってM型主系列星 AD Leo を多波長モニター観測し、太陽フレアより桁違いに大きい複数のフレアを捉え、その詳しい描像を明らかにした (“Optical and X-ray observations of stellar flares on an active M dwarf AD Leonis with Seimei Telescope, SCAT, NICER and OISTER” The Publications of the Astronomical Society of Japan, 2020 accepted)。 我々はブラッグ反射を用いて集光しつつ、X線偏光に感度を持ち、さらに焦点からずらして検出器を置くことにより高い分光能力までを併せ持つ、ユニークな光学系を発明し、特許を今年度、取得した(飯塚亮、坪井陽子「X線分光偏光計」特開2017-161480(P2017-161480A))。また、この原理の光学系を、CFRP (炭素繊維強化プラスチック)とSi 結晶を用いて精巧な回転放物面として作成し、実際に鉄のKα1輝線とKα2輝線を実際に分離できる、極めて高い分光能力を有することを実験で示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
X線での観測、可視光での観測、がおおむねうまくいき、論文の成果として結実しはじめている。また、X線分光偏光計の分光能力が非常に高いことがJAXAのビームラインで実証できた。
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Strategy for Future Research Activity |
10年間以上にわたって稼働を続けている「MAXI」による星のフレアカタログの出版、「MAXI」で活動性が高いことがわかった星の可視光モニターの論文出版、 X線分光偏光計の実用化を行う。
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Causes of Carryover |
現在、複数の論文を書いており、その投稿代を残している。また、X線分光偏光計の測定を制度高く再度行うための費用も残している。
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Research Products
(7 results)