2019 Fiscal Year Research-status Report
大気蛍光望遠鏡による宇宙線観測のためのリアルタイム大気透明度測定法の開発
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17K05471
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
有働 慈治 神奈川大学, 工学部, 准教授 (50506714)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大気透明度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は, 宇宙線の大気蛍光観測におけるエネルギー決定精度を向上するため, 新たな大気透明度測定装置を開発することである.時間とともに変化する大気透明度を測定するために, コンピュータ制御可能な赤道儀式架台に冷却 CCD カメラを取り付けた反射望遠鏡を搭載し, 標準星と呼ばれる恒星を追尾しながら光度変化を測定する. 大気透明度は光の波長によって異なるので, 目的とする波長の光度変化を検出するために冷却 CCD カメラには紫外線透過フィルターを装着する.標準星の光度測定では天体観測用の Johnson UBVRI フィルターを使用する一方, 大気蛍光観測に必要なフィルターは SHOTT 社の BG3 フィルターである.これら二種類のフィルターについて, Nd:YAG レーザー (波長 355 nm) を使った測定によって, 紫外線透過率の違いを解析した. 神奈川大学内での撮影・追尾のテストでは, 一時間程度の間, カメラの設定を固定して撮像し続け, その間の光度変化を解析した.カメラの設定を最適化するために同様のテストを複数回行った. 望遠鏡と赤道式架台を大気蛍光観測実験が行われている米国ユタ州へ輸送した.国内でのテストを踏まえ, 現地でも試験観測を行う予定であったが, 新型コロナウイルスの流行により出張を中止, 次年度へ延期することとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
装置を構築するための機材はほぼ購入済で, 神奈川大学において試験観測を実施した.望遠鏡を始めとする機材を米国ユタ州へ輸送し, 現地での試験の準備を進めている. 赤道儀式架台による遠隔操作を想定した自作のプログラムを作成する予定であるが, 開発は遅れている. 将来的には CCD カメラの替わりに光電子増倍管を使用した装置を構想しており, そのための準備として, PMT 用の高圧電源を購入した.
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Strategy for Future Research Activity |
宇宙線の大気蛍光観測が行われている米国ユタ州のテレスコープアレイ実験サイトで試験観測を行う.一部を除き, 機材は輸送済である. 国内では, 恒星導入・追尾の制御システムの開発と, 試験観測で得られたデータの解析を継続する.
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Causes of Carryover |
年度末に予定していた海外出張を, 新型コロナウィルス流行のために取り止めた. 航空チケットのキャンセル代を引いた分を次年度へ引き継ぎ, 改めて海外出張旅費として使用する予定である.
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