2018 Fiscal Year Research-status Report
高精度形状モデルに基づく小惑星イトカワの分光データ解析
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17K05639
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Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
平田 成 会津大学, コンピュータ理工学部, 上級准教授 (80372655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出村 裕英 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (10360009)
北里 宏平 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (50550597)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 小惑星 / イトカワ / はやぶさ / 地理情報システム / リュウグウ / はやぶさ2 / 分光 / 形状モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の当初目標は、小惑星探査機はやぶさによる小惑星Itokawaの分光データ解析であったが、2018年6月に後継機であるはやぶさ2がC型小惑星Ryuguに到着し、観測を開始した。本研究で昨年度から構築していた解析手法およびシステムは、はやぶさ2のデータ解析にも有用である。研究計画策定の当初から、本研究の成果のはやぶさ2への波及は構想されており、Itokawaのデータ解析と並行して、Ryuguの解析も進めることにした。 その結果、Ryuguについては完全に新規に高精度形状モデルの構築に成功し、これを基盤として分光データ解析を進めることができるようになった。Ryuguはspinning-top型(いわゆるコマ型)の形状を持つ小惑星であり、過去の自転特性によってこの形状となった可能性について検討が進められた。また、はやぶさ2搭載の近赤外分光器NIRS3の観測によって、Ryugu表面に含水鉱物が持つ2um帯の弱い吸収が認められた。これはC型小惑星母天体での水質変成作用などの地質活動がいかに進行したかを考える上で非常に重要な情報となる。これらのはやぶさ2データの解析の成果は、Science誌に論文として掲載された。 また、ItokawaおよびRyuguの解析のためのツール開発も継続して行われ、3次元地理情報システムAiGISの画像データ取扱機能の強化が行われた。本ツールは昨年度から引き続いてコミュニティに無料で提供されているほか、はやぶさ2プロジェクト内でも広く利用されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までの解析手法の検討などの成果を活かして、小惑星探査機はやぶさ2によるC型小惑星Ryuguの探査データを用いた解析を行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
小惑星Ryuguの解析を引き続き進めるとともに、小惑星Itokawaの解析も進め、それぞれの成果を論文として出版することを目指す。
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Causes of Carryover |
2018年度の一部の海外出張旅費や論文投稿費が、他の外部資金から支出可能となったため、未使用となった。今年度予定している海外出張旅費、論文投稿費などに充てる予定である。
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Remarks |
開発したソフトウェアAiGIS他を一般及び研究コミュニティ向けに公開している.
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Research Products
(8 results)