2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of fundamental technique for the investigation of model nano-structured interfaces with high catalytic kink sites
Project/Area Number |
17K05896
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
葛目 陽義 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 特任准教授 (20445456)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | サブナノ粒子 / 表面増強ラマン分光法 / 電気化学 / 電気化学触媒 / 単原子触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
物質が1nm程度にまで小さくなると、構成原子数が数十個程度となり、バルクやナノ粒子とは異なる特異的な物性を発現する。これらをサブナノ粒子と呼ぶ。サブナノ粒子は構成原子の殆ど全てが表面に露出することで結晶構造が歪み、特有な電子状態をもつことで特異的化学的特性が発現し、新しい革新的材料物質群として注目されている。しかしその粒子内の原子構造や、構成原子数に依存した離散的反応活性の原因についての物性理解は殆ど進んでいない。それはサブナノ粒子について、既存の分光法を用いた観測・検出が非常に困難であるためである。それはサブナノ粒子が小さいというばかりではなく、凝集を妨げるために表面濃度を下げる必要があることから、既存の分光法の検出限界を超越し、検出することが出来ないためである。本研究では電気化学条件下でも計測可能な、サブナノ粒子の構造に依存した特異的物性評価法の確立を目指した。 分子分解能レベルで化学的指紋情報を非破壊で計測できる高感度分光法として表面増強ラマン分光法(SERS法)に注目した。SERS法では信号強度を光学的に増強する増強素子として金ナノ粒子を使用する。光照射することで金ナノ粒子表面に発現される表面プラズモン共鳴現象による局所的電磁場が形成され、この電磁場がラマン信号を増強する。そこでサブナノ粒子の高感度計測に適した増強素子の設計・合成・比較計測から最適化した。 本研究課題の最終成果として、様々な増強素子の開発により、既存の計測法に対して最高で135倍の高感度を達成し、サブナノ粒子の検出のみならず、単原子触媒反応を追跡する超高感度計測を世界で初めて達成した。本手法は電気化学条件下への応用も可能である。 酸化スズサブナノ粒子の研究では、その結晶構造の解明に成功し、その結合状態から、世界で初めてサブナノ領域における特異的な反応活性の反応機構を論理的に解明することに成功した。
|
Research Products
(10 results)