2018 Fiscal Year Research-status Report
軟質エポキシフォームを利用した装着性と衝撃吸収性を両立する頭部保護帽の開発
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17K06048
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| Research Institution | Kanazawa University |
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Principal Investigator |
樋口 理宏 金沢大学, フロンティア工学系, 准教授 (50455185)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立矢 宏 金沢大学, フロンティア工学系, 教授 (10216989)
足立 忠晴 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20184187)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 機械材料・材料力学 / 頭部保護 / 発泡材料 / 高分子材料 / 衝撃 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，装着性がよく日常生活で気軽に着用できながら，衝撃吸収性が極めて高く，転倒や飛散物から頭部の損傷を防いでくれる保護帽の開発を目的としている．
本年度は，昨年度に引き続き頭部保護帽の構成材料となる軟質エポキシフォームの軽量化に取り組むとともに，飛翔体衝突評価試験を実施し，同軟質エポキシフォームを頭部保護帽として用いた際の頭部保護の指標となるHIC（頭部傷害基準）値の低減効果や圧力分散効果等について検討した．
まず，軟質エポキシフォームの成形法を見直し，抽出法とよばれる成形法により密度が約0.25 g/cm^3のエポキシフォームが得られた．また，圧縮試験により，抽出法により作製した軟質エポキシフォームに関しても圧縮特性のひずみ速度の感受性が極めて高いことを確認した．
また，これらと並行して，飛翔体衝突評価のための衝撃試験機を開発した．同試験では，野球の硬式球を頭部ダミーに衝突させ，頭部重心に設置した3軸加速度計によりHIC値の評価を行うとともに，反発係数並びに感圧紙による圧力分布の測定を行った．同評価試験により，開発した軟質エポキシフォームの反発係数が低く，その結果としてHIC値の低減に寄与することが明らかとなった．また，軟質エポキシフォームのひずみ速度依存性に起因する衝撃エネルギー吸収能の発現により，頭部ダミーに設置した感圧紙結果から飛翔体衝突において優れた圧力分散効果が確認され，同軟質エポキシフォームの有効性を示した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
軟質エポキシフォームの性能向上，ならびに同軟質エポキシフォームの飛翔体衝突における性能評価を予定通り実施することができた．また，同軟質エポキシフォームの有効性を確認し，研究2年目として一定の成果を確保することができたと判断される．
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究課題で開発している軟質エポキシフォームを頭部保護帽の構成材料としてより効果的に利用するため，エポキシフォームをヘルメットの外殻のように機能させることを目的として，密度の異なるエポキシフォームの積層構造の検討を行う．また，これらまでに得られたデータを総合的にとりまとめ，軟質エポキシフォームを用いた保護帽の軽量性，装着性を含めた最適設計を行い，転倒衝突試験および飛散物衝突試験により最終評価を行う．そして，本研究で提案する日常生活で気軽に着用でき，さらに，衝撃から頭部の損傷を十分に防ぎ得る頭部保護帽の構成条件，設計法をまとめ総括とする．
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| Causes of Carryover |
課題申請時に購入予定であった動ひずみ測定器は，試験方法の改変により購入を見送り，最終年度に改めて所望の性能の動ひずみ測定器を購入することとした．
次年度使用額については，動ひずみ測定器，衝突評価機の補修および改良ならび比較評価用の市販保護具の購入に充当するものとする．
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