2017 Fiscal Year Research-status Report
Analysis and Suppression of Vibrations of a Wind Turbine Blades in a Typhoon
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17K06245
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Research Institution | Nagoya Industrial Science Research Institute |
Principal Investigator |
石田 幸男 公益財団法人名古屋産業科学研究所, 研究部, 上席研究員 (10092991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥居 孝夫 静岡大学, 工学部, 教授 (70188829)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 弾性ブレード / 弾性タワー / 共振 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,沖縄など極めて勢力が強い台風が襲う地域で見られる風車タワーの倒壊,ブレードの破損などの原因,破壊メカニズムを明らかにする目的で実施しているものである.特に風車ブレードの破損に注目しているが,振動学で扱われる基本的な梁と異なり,風車のブレード(梁)の場合,ブレードの支持点(ナセル)が水平面内で移動すること,ブレードの角位置(重力方向に対する角位置)が時々刻々と変化しながら振動するという特殊事情がある. 以上の背景から,研究のスタートとして,片持ち梁の支持点が弾性振動するため位置が変動する弾性棒の上に固定されている理論解析モデルを構築した.そして,弾性棒と弾性ブレードの連成モデルとして解析し,様々なブレード角位置に対する系全体の固有角振動数の変化を調べた.さらに,ブレードのアンバランスによる強制力が加わるときの強制振動応答と共振現象を調べた.その結果,ブレード角(タワーの方向,すなわち鉛直方向い対する角度)が0°のときはタワーのみが大きく振動すること,角度を持つとき(たとえば45°)はブレードとタワーの振動が連成して2自由度系のような応答を示すこと,ブレードが回転しているときはこのように系の自由度自体が変動していることなどが明らかにできた. このような理論モデルに対応する実験装置も製作し,実験を行った.タワーとブレードの相対的角位置を変えたときの共振現象を実験的に調べたが,理論解析結果と概ね一致する実験結果を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度として,弾性タワーの上に弾性片持ち梁を取り付けた理論モデルを構築し,様々なブレードの角位置における固有振動数の変化と不釣合い力が加わったときの共振現象を調べることを計画した.この範囲内のことは概ね実施できた.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)初年度に構築した理論モデルを用いて,さらに詳細な解析を行い,その結果を実験で確認すること.(2)周期的な不釣合い力だけでなく,台風時のようなインパルス的外力が加わったときの応答を調べる.(3)振動モードから最大曲率をもつブレード上の位置を明らかにして,実際に台風下で破損したブレードとの関係を明らかにする.
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Causes of Carryover |
実験装置を製作中であり,その計画のなかで初年度に予定した計測装置を次年度に変更したためである.実験装置を製作する前に,その寸法が実験するにあたって最適なものであるか確認しなければならない.そのため,理論モデルを作成し,その応答を調べた.すなわち,安全に実験できる回転速度内に予定する現象が現れるか.発生する振動の大きさが購入予定の計測装置で計測できるか.目的とする現象を明らかにするために必要となる台数は十分か.など検討すべき条件は多い.理論解析で検討した結果,まず簡単の実験装置に第一モデルを製作した.それを運転して(詳細な計測はまだであるが)予想されるいくつかの現象の発生を確認した.このモデルを改良したのち,予定の計測装置(レーザ式変位センサ,計測ステーション,データロガーなど)を購入する.基本的な確認は初年度に終了したので,次年度にはこれらの計測装置を購入するので,当初の使用計画よりやや遅れたが,確実に予算執行できる予定である.
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