2019 Fiscal Year Annual Research Report
Accurate Analysis of Carbohydrates via Thin-Layer Chromatography Based on Image Analysis and Color-Magnitude Model
Project/Area Number |
17K06460
|
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
井嶋 博 和歌山大学, 教育学部, 教授 (90397604)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 真範 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (20400129)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 化学分析 / 計測工学 / 画像解析 / 有機化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
薄層クロマトグラフィーと画像解析を組み合わせた、新しい糖の分析手法について、低濃度から高濃度の幅の広い糖溶液の濃度の定量化を行った。その結果、扱う溶液の濃度の違いによって、定量化のもとになるスポットの表出のさせ方が実験者の作業に依存することから、同時に分析、定量化が可能な、異なる濃度を同時に分析することを想定して、濃度の高い溶液と提案手法の有効となる分析レンジについて明らかにした。 また、分析で得られるTLC板に表出した溶液スポットを、ディープラーニングの一つである畳み込みニューラルネットワークを用いた画像認識により分離させる手法を検討した。その結果、分析で必要になるスポットは濃淡の空間的広がりが連続的であるため、この手法では自動的に分離が困難であることから、画像認識後に領域の補正を行うことで対応させる手法を開発した。 最終年度のまとめとして、各年度ごとに得られた研究成果である、①グルコース、ラクトースおよびガラクトースの濃度分析と定量化結果の違いや、提案手法の既存分析手法である高速液体クロマトグラフィー(HPLC)および核磁気共鳴装置(NMR)に対するアドバンテージの確認、②数理モデルの構築とシミュレーションによりクロマトグラフィーにおける展開過程の物理学的なメカニズムの解明、③提案手法の糖の合成反応過程の分析への応用、の3点について再度整理をし、高度な糖の分析や定量化と糖合成への応用の可能性を明らかにした。
|