2017 Fiscal Year Research-status Report
アルミイオンを用いた反応生成物の改質によるアルカリ骨材反応の抑制に関する研究
Project/Area Number |
17K06519
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩月 栄治 愛知工業大学, 工学部, 教授 (10278228)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アルカリ骨材反応 / 抑制 / アルミニウム / 砕石粉 / アルカリ溶融処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、コンクリートの劣化現象であるアルカリ骨材反応(ASR)の完全な抑制方法を検討するために実施する。これまで実施されてきた抑制方法は 1986年に当時の建設省から通達され、30年にわたって実施されてきた。しかし 2005年頃から抑制対策を実施した構造物にASRによる劣化事例が報告され始めている。今後、インフラ構造物の長寿命化を実現するためには、新たな抑制方法を開発する必要があることから、薬品などを少量添加するような、容易で完全に抑制する手法を検討する。具体的には、反応生成物を膨張しない生成物に改質する薬品を実験的に開発することを目的としており、過去の実験からアルミを抑制剤とした容易で完全なASR対策方法の立案を目的とする。 2017年度の研究では、①ASRのモデル材料を用いたアルミの抑制効果の検討、②アルミ含有薬品を添加したモルタル・コンクリートの ASR 膨張の抑制効果の検討の2つを実施予定とした。①に関しては、モデル材料の水ガラスカレットの合成は、化学成分を考慮して11種類作製し、合成後の化学成分の定量をおこなった。これをもとにモルタル供試体を作製しし、膨張試験を実施中である。②については、アルミ含有薬品の選定として水酸化アルミニウムと、アルミン酸カルシウムを選定したが、アルミン酸カルシウムの入手が不能であった。これら薬品の他に、アルカリ溶融処理を行った砕石粉にもアルミニウムを溶出することが想定されたので、基礎実験としてカルシウムのアルカリ溶液中でのアルミイオンの溶出状況の測定を行い、新たな抑制材としての可能性を検討した。なお砕石粉は骨材生産時の副産物であり、近年、有効利用方法の開発が求められていることからも、副産物利用に貢献できることも考えられる。これらの成果を取りまとめて2017年度には2編の口頭発表をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年度では、①ASRのモデル材料を用いたアルミの抑制効果の検討、②アルミ含有薬品を添加したモルタル・コンクリートの ASR 膨張の抑制効果の検討の2つ実験を予定していた。①についてはガラスカレットの合成を実施し、モルタル供試体を用いた膨張試験を実施しており、現時点ではその膨張量を計測している。また②に関してはアルミニウムを含む薬品の選定に時間を要していることと、新たにアルミニウムを含む物質としてアルカリ溶融処理された砕石粉の検討のため、コンクリート供試体の作製が遅れている。 このため2018年度では、②のコンクリート供試体作製を早急に実施することとする。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度の研究では、②のコンクリート供試体の作製が遅れていることから、2018年度早々に実施を検討すが、薬品以外の抑制材でアルカリ溶融処理した砕石粉の効果が期待できるため、取り急ぎモルタルで予備実験を実施し、その結果を踏まえて、コンクリート供試体の作製を実施することとする。 なお①のガラスカレットを用いたモルタル供試体は、2018年度も継続して測定を継続する。
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Causes of Carryover |
2017年度は、予定していた実験②のコンクリート供試体の作製が実施できてない。この理由は、当初予定していたアルミニウムを含む薬品が入手困難になったことと、新たにアルカリ溶融処理した砕石粉がアルミニウムを溶出する効果を事前に確認し、その後、コンクリート供試体を作製するように計画変更を行った。よって2017年度の残金は2018年度に実施するコンクリート供試体の材料準備、供試体の作製、作製した供試体の測定等に使用する予定である。また2018年度に交付される予算は、実験①で作製した供試体の測定の継続の他、2018年度に実施予定のX線回折、電子顕微鏡、NMRの分析に用いることを予定する。
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Research Products
(2 results)