2018 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of water resources sustainability considering tropical glacier responses to extreme climate conditions driven by El Nino events
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17K06587
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
朝岡 良浩 日本大学, 工学部, 准教授 (00758625)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 氷河融解 / エルニーニョ現象 / 熱収支 / UAV / ボリビア多民族国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ボリビア多民族国の水源域に分布する熱帯氷河を対象として、エルニーニョ現象時の気候擾乱が氷河水資源の持続性に及ぼす影響を明らかにする。2018年度は、エルニーニョ現象期間(2015から2016年)における氷河表面の熱収支を解析した。通常気候時と比較すると、乾燥化に伴い大気から氷河に入力する長波放射量が少なくなり、表面温度が低下したことにより、融解量が減少することを示した。 次に、氷河融解・流出モデルを用いた流出解析とTuni貯水池の水収支解析によって、エルニーニョ現象時がTuni貯水池の水分配に及ぼす影響を評価した。Tuni貯水池は首都圏に送水するだけでなく、現地の灌漑用水を供給しているが、エルニーニョ現象時に現状の水分配ルールを採用すると、首都圏への送水を維持できるが、現地の灌漑用水として利用できる量が大幅に減少することを示した。 2018年度は3月と8月にボリビア多民族国に渡航して、上流域に熱帯氷河が分布するTuni貯水池集数域の水文・気象モニタリング網のデータを回収した。2010年以降のデータ蓄積により、エルニーニョ現象時及びそれ以降の水循環の解析が可能となった。8月の渡航時には、Condoriri氷河においてUAVのフライトを実施した。取得した画像データに基づいて氷河の後退状況を明らかにするとともに、氷河を対象とした航空写真測量の妥当性を検証し、氷河消耗域の高解像度の地形データを作成した。2019年度も引き続きUAVを用いたモニタリングと写真測量を行い、エルニーニョ現象後の氷河の後退状況を定量的に解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象とするTuni貯水池集水域の水文・気象モニタリング網のデータ蓄積が進み、これによってエルニーニョ現象前、エルニーニョ現象期間、エルニーニョ現象後の氷河融解や流域水資源の解析を行える状況にある。また、2017年、2018年とUAVを用いた氷河のモニタリングを行い、消耗域の高解像画像データと地形データも整備した。 以上より、本研究を遂行するうえで基盤となるデータを順調に取得し、重要な知見も得られていることから、本研究はおおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までにエルニーニョ現象前とエルニーニョ現象期間の流出特性と熱収支特性を解析した。最終年度はエルニーニョ現象後の期間を対象として氷河変動と水資源量を解析する。これまでの解析結果と比較して、エルニーニョ現象が氷河水資源の持続性に及ぼす影響を明らかにする。
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Causes of Carryover |
投稿論文の準備が予定より遅れたため、投稿料として確保していた金額を次年度に使用することとした。2019年度に投稿論文の掲載まで完結させ、当初の予定通り投稿料として使用する。 購入を予定していたエルニーニョ現象期間の人工衛星画像を、2019年度にエルニーニョ現象後の衛星画像と一括で購入することとしたため、物品費の一部を繰り越した。2019年度に当初の予定どおり使用する。
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