2019 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of water resources sustainability considering tropical glacier responses to extreme climate conditions driven by El Nino events
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17K06587
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
朝岡 良浩 日本大学, 工学部, 准教授 (00758625)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 氷河融解 / エルニーニョ現象 / UAV / 衛星リモートセンシング / ボリビア多民族国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ボリビア国の水源域に分布する熱帯氷河を対象として、エルニーニョ現象時の気候擾乱が氷河水資源の持続性に及ぼす影響を明らかにする。2019年度は、人工衛星Landsatのデータを用いて2016年から2019年の氷河域を抽出して、1984年以降の氷河域のデータベースを更新した。長期的な氷河域のデータベースを用いて、2015年から2016年に発生したエルニーニョ現象の収束後の氷河後退を解析した。Tuni氷河とCondoriri氷河に関しては、2016年以降の氷河面積の減少速度が1984年以降の長期的な減少速度と比較して大きな変化はなく、一方で、Huayna Potosi West氷河は2016年以降に減少速度が加速した。この違いは、氷河の標高帯毎の面積に依るものと考えられる。8月にボリビア国に渡航して、Tuni貯水池集域の水文・気象モニタリング網のデータを回収した。2010年以降のデータ蓄積により、エルニーニョ現象時及びそれ以降の水循環の解析が可能となり、2016年10月に発生したラパス市内の渇水に関して、氷河域の縮小、雨季の開始が例年よりも1ヶ月遅いことが要因と示唆された。また、Condoriri氷河の消耗域においてUAVフライトを実施した。航空写真測による2017年以降の氷河地形データを蓄積した。さらに、SRTM-1(2000年2月)、ASTER GDEM(2000年から2010年)、AW3D30(2006年から2011年)といった衛星観測による全球地形データとの比較により、氷河の表面高度の変化の解析が可能となった。
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