2018 Fiscal Year Research-status Report
北海道における日本版CCRCの成果評価 -東京圏高齢者の移住構想の事例分析
Project/Area Number |
17K06720
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Research Institution | Hakodate University |
Principal Investigator |
大橋 美幸 函館大学, 商学部, 准教授 (10337199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 千歳 国士舘大学, 理工学部, 教授 (30346332)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | CCRC / 生涯活躍のまち / 移住 / 北海道 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、北海道における日本版CCRC(生涯活躍のまち)の成果評価を行うものである。研究課題は3つである。 研究課題1「北海道における日本版CCRCの位置づけ」において、北海道を含む各地の日本版CCRC構想の経過を追った。目標の達成に向けて当初の計画が変更され、焦点が高齢者から子育て世帯へ移ったり、リゾート開発からコミュニティ拠点形成になったりしていた。 研究課題2「北海道の過疎地に新規開発を伴う日本版CCRCの評価」について、日本版CCRC運用前の状況について、開発地の地域福祉調査を行い基礎的資料を作成した。民間企業において地域イベントや防犯・防災への協力、高齢者向けの配慮や地域団体支援等が行われていた。 研究課題3「東京圏高齢者にとっての北海道移住の意味の把握」について、高齢期の移住先として北海道を選択する理由と意義をまとめた。移住希望者調査の二次分析から、移住後に希望するライフスタイルは自然志向であり、利便性が良くない中で出身地へのUターンを含め、移住HPがきっかけとなり、自治体の移住支援制度が後押しをして北海道への移住が選択されていた。 同様に、移住者のインタビュー及びインタビュー記事の分析からは、出身地であったり、雄大な風景や豊かな自然、夏の涼しさ等の[北海道に特徴的な気候、自然、風土や習慣]、食を楽しみ、家庭菜園や農業を楽しむ等の[スローライフ]が移住先の選択につながっていた。加えて利便性、仕事等の[移住後の暮らしやすさ]が移住先の選択で考慮されていた。地域おこし協力隊等の[地域おこし]が北海道移住のきっかけになり、移住時の訪問、家や土地の取得等の[移住者支援がある]ことが移住につながっていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は2年目にあたり、日本版CCRC構想の経過を追い、来年度のまとめに向けた資料を作成した。 具体的には、①各地の日本版CCRC構想を調査し、目標と関連づけて当初の計画からの変更点をまとめた。来年度は継続して経過を追い、目標から成果評価(中間時点)をまとめる予定である。 ②北海道の過疎地に新規開発を伴う日本版CCRCにおいて、開発地の地域福祉の調査を行った。日本版CCRCの運営がはじまりつつあり、来年度に取り組みの経過を追い、関連機関のネットワークの変容をまとめる予定である。 ③インタビュー等から高齢期における北海道移住の意味をまとめた。来年度は、諸外国の動向を含め、高齢期における移住の意味をまとめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
日本版CCRCの運営及び東京圏からの移住がはじまりつつあり、調査を継続して経過を追い、成果評価(中間時点)を行う。 ①北海道で過疎地に新規開発を伴う日本版CCRCの取り組みの経過を追うとともに、各地の先進的な日本版CCRCの運用を調査する ②最終年度にあたり、諸外国の高齢期の移住、アジアに新たにつくられつつあるCCRC等を含めて資料を集め、比較可能なかたちでまとめる。
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Causes of Carryover |
調査対象の状況に合わせて、視察及びインタビューの一部を来年度に行うように変更したためである。来年度の視察及びインタビューの旅費に使用する予定である。
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