2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on Optimization Method of Phased Evacuation using Mathematical Model of Pedestrian Traffic Flow on Stairs
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17K06722
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
水野 雅之 東京理科大学, 理工学研究科国際火災科学専攻, 准教授 (40366448)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 全館避難 / 階段避難 / 避難流動 / 順次避難 / 避難訓練 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度に2つの高層事務所ビル(地上25階建てと地上20階建て)における全館避難訓練の調査を実施した。二つの建物では,階段室における扉の配置が異なっていた。地上25階建てビルでは,台風接近の前日に訓練を実施したため,避難訓練への参加者数が600人程度であり,設定した順次避難計画に基づく避難シナリオで混雑が少なくスムースに避難できた。一方,地上20階建てビルでは,避難訓練で2~4階を第1フェイズに設定し,その2分後に第2フェイズとして5~20階(10階は会議室階で訓練参加者がほぼなし)の15階層から同時避難の指示を与え,避難訓練で使用した2つの階段では1つで1100人以上,もう1つで1400人以上が同時避難を行った。こうした1000人を超える規模が1つの階段で同時避難した訓練を調査したデータは世界的にも大変貴重なデータである。なお,このビルは概ね4000人規模の収容人員で当日の避難訓練参加者は概ね2800人であったため,概して全体の7割程度の状態の避難者数であった。 後者の避難訓練時の階段避難流動について,各階踊り場を対象に,各階から踊り場に入る,上階からの段部から踊り場に下りる,踊り場から下階への段部に下りる3つの境界における人の通過人数を時間経過に応じて一連のカウントデータを作成した。その結果,少なくとも16~19階において断続的に動きつつも10分以上の滞留が生じたことを確認した。また,10~15階でも16~19と比較して断続的に動いた時間が長く,全体の滞留時間は短かったものの滞留が発生した。こうした避難途中で動いたり止まったりした不安定な状態は,特に危急時には心理的な負荷も増すため,これを解消できる順次避難計画のシナリオが必要である。そこで,本研究で開発した避難流動モデルと避難シナリオの最適化手法に基づくケーススタディを行い,その一つの解を提示した。
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Research Products
(10 results)