2017 Fiscal Year Research-status Report
熱影響と吸着固定化性能を考慮した発熱性廃棄物のセメント固化技術の開発
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17K07015
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
庭瀬 一仁 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00770942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 武志 一般財団法人電力中央研究所, 地球工学研究所, その他 (30371545)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | セシウム / ゼオライト / セメント固化 / 熱影響 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の研究実施計画に基づいて,①セメント充てん材の配合予備検討,②ゼオライトの温度を考慮した配合調整及び,③力学的安定性の予備検討を実施した。結果,以下の研究実績を得た。 ①セメント充てん材の配合予備検討:ゼオライトを混入した供試体を作製し、圧縮強度試験、電気泳動による塩化物イオンの拡散試験、水銀圧入による細孔径分布の測定を行った。予備検討の結果を基にHPC-FA系充填材の候補となる数ケースの配合を決定した。 ②ゼオライトの温度を考慮した配合調整:温度の違いによる内部構造の変化に着目し、電気泳動による物質透過性、水銀圧入法による細孔径分布、熱重量示差熱分析による水酸化カルシウム量の測定を行い、評価した。実効拡散係数は,20℃養生では同じ一般的なモルタルと同程度の10-12オーダーとなったが、50℃養生では小さい値となった。80℃養生では、フライアッシュを混入した配合で10-13オーダ ーとなった。高温環境下において、フライアッシュを混入することで、要求される核種閉じ込め性能を満足できる可能性があることが確認できた。また,熱重量示差熱分析において、養生温度が高くなるにつれて水酸化カルシウム量が減少する傾向となった。 O、H も高温養生において減少傾向になることから、原因は,ゼオライトがポゾラン反応を生じ、水酸化カルシウムを消費したものと考察した。 ③力学的安定性の予備検討:流動性と強度を考慮して配合を決定するために、各試験において配合を調整した。結果,ゼオライト混合率100%、水結合材比50%の配合として,化学混和剤の添加量を最適化できた。強度については、圧縮強度試験により処理・処分の際に必要な一軸圧縮強度を確認し、全配合で処理・処分に必要な強度を確認できたため、施工時の要求に応じてそれぞれ配合を選択することが可能であることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の研究実施計画どおり,①セメント充てん材の配合予備検討,②ゼオライトの温度を考慮した配合調整及び,③力学的安定性の予備検討を実施し,成果をまとめ,口頭発表6件,査読付き論文を1編公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度の研究については,計画どおり固化体の力学安定性検討を推進する。 力学的安定性については、昨年度の予備検討の結果をもとに配合と施工性をさらに改善したうえで、同様の供試体を作製する。供試体は、乾燥炉と高温養生用恒温水槽(供試体はエポキシでコーティングして水と非接触)で温度をそれぞれ20℃,50℃,80℃で3日,7日,28日,365日の材齢まで養生し、強度試験と気泡測定により、強度と充てん性の相関性を評価する。また,できれば平成31年度に計画していた模擬供試体の作製を前倒しで実施したいと考えている。さらに,これまでの実験成果から,高性能AE減水剤と硬化促進剤の併用による予期せぬ強度増加の傾向が顕著に見られたことを受けて,核種閉じ込め性能が向上している可能性について,当初計画に加えて評価する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,3月末の学会参加の旅費の見積もりと精算額の差分で生じたものである。来年度の学会参加の旅費として使用を計画する。
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