2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the mechanisms for transient expression of HTLV-1 Tax and development of novel immunotherapy
Project/Area Number |
17K07166
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安永 純一朗 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 講師 (40362404)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | HTLV-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)は成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスであり、その発がん機序にウイルス因子であるTaxとHTLV-1 bZIP factor (HBZ)が重要な役割を果たしている。TaxはATL細胞のごく一部(0.5-3%)で一過性に発現し、細胞全体の生存に必須の役割を果たすのに対し、HBZは殆どの細胞で持続的に発現し細胞の増殖を促進する。本課題では、Taxの一過性発現とHBZの持続発現の発がんにおける役割に関し、解析を進めている。Taxレポーター細胞株MT1GFPおよびKK1GFPからTax発現細胞と非発現細胞(= HBZ発現細胞)をセルソーターにて分取し、ATAC-seq、ChIP-seq(H3K27ac)を施行した。ATAC-seqの結果を元にモチーフ解析を行った結果、Tax発現細胞ではNF-kBおよびAP-1 familyに属する転写因子の結合配列が有意に検出されていた。またH3K27acのChIP-seqの結果からは、Taxの発現と一致してアセチル化状態が変化するエンハンサー領域が存在することを見出した。同定した近接しているエンハンサー領域をクラスター化し、そのクラスターのピークの濃縮度でランキングされた上位集団をスーパーエンハンサーと定義し、Taxの発現と共に出現するスーパーエンハンサーを同定した。同定した領域におけるH3K27acの変化により発現が変動する2つの遺伝子に関して、CRISPR/CAS9によるノックアウト及びshRNAによるノックダウンを行い、発現抑制により細胞増殖が阻害されることを見出した。これらのノックアウト細胞における遺伝子発現プロファイルの変化を明らかにするためRNA-seqを施行した。
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