2018 Fiscal Year Research-status Report
がんゲノム解析で残された微小コピー数変化の検出とその意義の解明
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17K07195
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辰野 健二 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任研究員 (80775239)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | HBV / MSI / CNV |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代シーケンサーによるゲノム解析は遺伝子パネル解析を中心に実際の臨床でも使われるようになってきたが、現状では配列の点変異の解析が中心であり、ゲノムコピー数変化(CNV)やマイクロサテライト不安定性解析など、現在の解析アルゴリズムでは検出が困難な変異は見過ごされている。本研究では、新たな解析アルゴリズムの開発により、これまでは検出困難であった種類の変異を同定し、その意義を探索することを目的としている。 30年度は、肝がんのゲノムコピー数変異のうち、HBウイルスによって引き起こされている箇所を検出するため、ウイルスキャプチャーシーケンスとゲノムコピー数解析を組み合わせる手法での解析を行った。これにより、ゲノムコピー数の変化がウイルスの挿入部位に一致している症例を検出することが出来た。 また、免疫チェックポイント阻害剤の応答予測因子として近年注目されているマイクロサテライト不安定性(MSI)を、ベセスダ基準などの限られたマーカー部位からだけでなく、より多くのマイクロサテライト部位を使った評価を行うため、ゲノム中に多数存在する繰り返し配列の中から、既知のMSI-H症例で不安定性を検出しやすい場所を800か所程度選びだし、その部分にキャプチャー用のプローブを設計してより効率的にMSIを検出できる測定方法を構築した。この方法にてがんゲノムのパネル解析でのMSIスコアの算出を行っている。現在は次世代シーケンスデータから得られたMSIのスコアと、従来法での判定法の比較検証を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
公共データベースにある大規模なデータを使っての解析は、計算資源にかかるコストの問題から限定した症例数の解析に留まることから、30年度はMSIの解析、および肝がんのウイルスキャプチャーシーケンスを実施することに集中した。MSIについては、新規設計のキャプチャープローブを用いて、100例以上のがん検体の解析を実施し、肝がん243症例でのHBウイルスの挿入部位とCNVの関連について解析を実施した。。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに検出された微小コピー数変化部位をPCR法などで検証した結果、微小コピー数変化はシーケンスのノイズではなく、実際にゲノム構造異常が起きていることが確認できた。微小コピー数変化のがん化への寄与を調べることの重要性が増しているとかんがえられるので、より詳細に、正確にその部位を検出同定すること行う予定である。また、今後広く行われるでがんゲノムのパネル解析においても、がんの診断や治療方針の策定にに有用なコピー数変化を検出するため、その検出基盤の開発につながる解析を実施する。
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Causes of Carryover |
おおむね計画通り使用したが、論文投稿の費用のために繰り越して使用する予定。
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[Journal Article] DNA demethylation is associated with malignant progression of lower-grade gliomas2019
Author(s)
Nomura M, Saito K, Aihara K, Nagae G, Yamamoto S, Tatsuno K, Ueda H, Fukuda S, Umeda T, Tanaka S, Takayanagi S, Otani R, Nejo T, Hana T, Takahashi S, Kitagawa Y, Omata M, Higuchi F, Nakamura T, Muragaki Y, Narita Y, Nagane M, Nishikawa R, Ueki K, Saito N, Aburatani H, Mukasa A
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 9
Pages: 1903
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] BHD-associated kidney cancer exhibits unique molecular characteristics and a wide variety of variants in chromatin remodeling genes2018
Author(s)
Hasumi H, Furuya M, Tatsuno K, Yamamoto S, Baba M, Hasumi Y, Isono Y, Suzuki K, Jikuya R, Otake S, Muraoka K, Osaka K, Hayashi N, Makiyama K, Miyoshi Y, Kondo K, Nakaigawa N, Kawahara T, Izumi K, Teranishi J, Yumura Y, Uemura H, Nagashima Y, Metwalli AR, Schmidt LS, Aburatani H, Linehan WM, Yao M
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Journal Title
Human Molecular Genetics
Volume: 27
Pages: 2712~2724
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] All-in-one panel assay for clinical cancer sequencing2018
Author(s)
Kenji Tatsuno, Shinji Kosaka, Hiroki Ueda, Shogo Yamamoto, Shuhei Yoshikawa, Toshihide Ueno, Takashi Aoki, Shiro Fukuda, Kunihiro Nishimura, Hiroyuki Mano, Hiroyuki Aburatani
Organizer
Precision Medicine in Cancer, Keystone Symposia
Int'l Joint Research
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