2019 Fiscal Year Research-status Report
がんゲノム解析で残された微小コピー数変化の検出とその意義の解明
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17K07195
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辰野 健二 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任研究員 (80775239)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | HBV / MSI / CNV / AAV2 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代シーケンサーによるゲノム解析は遺伝子パネル解析を中心に実際の臨床でも使われるようになってきたが、現状では配列の点変異の解析が中心であり、ゲノムコピー数変化(CNV)やマイクロサテライト不安定性解析など、現在の解析アルゴリズムでは検出が困難な変異は見過ごされている。本研究では、新たな解析アルゴリズムの開発により、これまでは検出困難であった種類の変異を同定し、その意義を探索することを目的としている。 令和元年度は、昨年度実施した肝がんのウイルスキャプチャーシーケンスの解析から、HBVの消失後も、HCC患者ではHBVゲノムのインテグレーションが検出される可能性を示し、再発HBVおよびAAV2(アデノ随伴ウイルスタイプ2)のインテグレーションと癌ドライバー遺伝子の転写活性化を特定した。この結果を論文に投稿し、Clinical Cancer Research誌に掲載された。さらに、ウイルスゲノムの挿入によって引き起こされる染色体再構成を伴う染色体不安定性を確認するために。ロングリードシーケンサによる解析を計画し、シーケンスを実施した。 一方、免疫チェックポイント阻害剤の応答予測因子として近年注目されているマイクロサテライト不安定性(MSI)を、ベセスダ基準などの限られたマーカー部位からだけでなく、エクソームシーケンスデータに多数存在するマイクロサテライト配列を網羅的解析するアルゴリズムを開発し、これまでのがんゲノム変異データと統合解析を行うことで、がんのより詳細な変異プロファイリングを解析した。令和元年度は新たに胃がん検体についてシーケンスを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
構造異常を確定するためにはロングリードシーケンスによる解析が効果的ではあるが、ロングリード解析に適した検体の入手、調整に時間を要したため、実施が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
ロングリード解析は5例について実施済であり、現在解析中である。この結果を従前のシーケンスデータと統合して解析し、論文発表等を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究結果の論文投稿および学会発表を準備しているが、追加実験が必要なため、論文の掲載および学会発表を2020年度に延期する必要が生じたため。
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[Journal Article] Reduced Neoantigen Expression Revealed by Longitudinal Multiomics as a Possible Immune Evasion Mechanism in Glioma2019
Author(s)
Nejo T, Matsushita H, Karasaki T, Nomura M, Saito K, Tanaka S, Takayanagi S, Hana T, Takahashi S, Kitagawa Y, Koike T, Kobayashi Y, Nagae G, Yamamoto S, Ueda H, Tatsuno K, Narita Y, Nagane M, Ueki K, Nishikawa R, Aburatani H, Mukasa A, Saito N, Kakimi K.
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Journal Title
Cancer Immunology Research
Volume: 7
Pages: 1148~1161
DOI
Peer Reviewed
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