2018 Fiscal Year Research-status Report
がんゲノム医療に向けたクリニカルシークエンスの変異解析パイプライン開発
Project/Area Number |
17K07250
|
Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
上野 敏秀 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (40381446)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | バイオインフォマティクス / ゲノム医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん遺伝子パネル検査「東大オンコパネル(Todai OncoPanel)」のための解析パイプラインを開発した。このパネルは、464種類の遺伝子の点突然変異・挿入欠失・コピー数異常、449種類の遺伝子融合を調べることを目的とし、東京大学附属病院にて実際に使用されているものである。本研究では主にRNAデータから融合遺伝子を検出することを目的とし、既知の融合遺伝子については仮想配列を事前に作成し、それ以外については検出したトランスクリプトームから融合遺伝子ペアを予測し、ダイナミックに仮想配列を作成して検出するものである。肺がんや肉腫など180症例以上を解析し、病理診断時には原因を特定できなかった検体から疾患原因融合遺伝子が検出や、新規の融合遺伝子の検出を可能にしている。この結果はCancer Sci. 2019; 110:1464-1479に報告している。 大腸がんの全エクソン解析では、MLH1のプロモーター領域がメチル化された散発性MSI-H大腸がん(MM)は、Lynch症候群(LS)やLynch-like変異を持つ大腸がん(LL)とは異なる臨床病理学的プロファイルであることを示した(Clin Cancer Res. 2019; 25:378-389)。MMではLSやLLと比べてBRAFとRNF43の点変異・挿入・欠失が多く見られ、またKRAS、BRAFに変異がなかったMM症例特異的にキナーゼ領域を保持する融合遺伝子(融合キナーゼ)が検出された。これらの特徴からMSI-H大腸がんのMMタイプの分類にMLH1のメチル化アッセイと変異・融合キナーゼの相互排他性を考慮することで簡便な診断戦略の方法を提案した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ゲノム医療に用いるパイプライン開発を進め、実装することができた。しかし、パネルのバージョンアップに伴うアップデートが少々遅れている状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
発現解析用プログラムのアップデートを主に開発を進めていく。また、これまで挙がってきた問題点を見直して新しいアルゴリズムの設計も検討している。
|
Causes of Carryover |
適切な研究費使用を行ったが、支出項目が多岐に渡るため若干の差額を生じた。次年度の使用計画には影響を与えるものではないと考えている。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Integrated molecular profiling of juvenile myelomonocytic leukemia2018
Author(s)
Murakami N, Okuno Y, Yoshida K, Shiraishi Y, Nagae G, Suzuki K, Narita A, Sakaguchi H, Kawashima N, Wang X, Xu Y, Chiba K, Tanaka H, Hama A, Sanada M, Ito M, Hirayama M, Watanabe A, Ueno T, Kojima S, Aburatani H, Mano H, Miyano S, Ogawa S, Takahashi Y, Muramatsu H
-
Journal Title
Blood
Volume: 131
Pages: 1576~1586
DOI
Peer Reviewed