2018 Fiscal Year Research-status Report
核様体凝集をトリガーとする複合ストレス環境への適応システムの解明
Project/Area Number |
17K07279
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大庭 良介 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30447883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 一也 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90361328)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 環境応答 / 核様体 / 遺伝子発現制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、黄色ブドウ球菌における、(i)本応答が複合ストレス環境への適応を実現していることの立証、(ii)核様体凝集を通じた遺伝子発現制御の実態(ゲノム位置依存性)の解明を目的としている。そのために、まず、複合的なストレス環境下で核様体凝集が生存に寄与するのかを、黄色ブドウ球菌のmrgA遺伝子を対象とした分子遺伝学的な手法により明らかにする。次に、核様体凝集による遺伝子発現制御の実態を、核様体凝集によるゲノム位置依存的な遺伝子発現制御の検討を通じて明らかにする。さらに、明らかとなった遺伝子発現制御の仕組みが、複合的なストレス環境下での適応に寄与するかを検討する計画である。核様体凝集のメリットを実証するためには、核様体凝集能力をもたないMrgA変異体タンパク質を用いた検証が効果てきである。平成30年度は、この計画に必要な凝集能を欠いたmrgA遺伝子およびMrgAタンパク質の作成に関し、目的とする13個の突然変異のうち、8つについてAlaに置換するコンストラクトを作成した。加えて、この変異体の発現確認に必要なGFPリポーター付きのコンストラクトを作成した。現在、変異体遺伝子の発現による核様体凝集状況について検証を進めている。また、ゲノム位置依存性を明らかにするのに必要となる、マーカー遺伝子群(黄色ブドウ球菌SCC領域)をattBにてゲノムの各位置に挿入する変異体を作成した。こちらについても、現在、マーカー遺伝子群をターゲットにした発現解析を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年に引き続き遅れていた「道具」の作成に時間がかかった(昨年度解決していたと思われていた問題が予想外の変異の導入などにより再度作成するなど時間がかかった)。
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Strategy for Future Research Activity |
道具の作成が進み始めたので、今後は本題の解析に入る。
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Research Products
(3 results)