2020 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism on diversity and adaptability of plant peroxisome
Project/Area Number |
17K07457
|
Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
真野 昌二 基礎生物学研究所, オルガネラ制御研究室, 准教授 (20321606)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ペルオキシソーム / シロイヌナズナ / apem変異体 / オルガネラ形成 / タンパク質輸送 / 脂質結合 / 多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
真核細胞に必須のオルガネラであるペルオキシソームは、脂肪酸代謝や活性酸素種の除去などの共通の機能に加え、植物では光呼吸、酵母ではアルコール発酵、動物では胆汁酸の生合成といった生物種に特異的な機能を併せもつ。これらの機能は、進化の過程で生物種に応じて獲得されてきたと考えられる。これまでの植物ペルオキシソームの研究は、主にモデル被子植物のシロイヌナズナを中心に行われ、他の植物における知見はほとんどなかった。本研究では、基部陸上植物であるゼニゴケと、シロイヌナズナとは異なる生活様式をもつ非モデル植物のギンリョウソウとオロバンキも加え、ペルオキシソームの機能と形成に関わる因子の同定と機能解析から、植物ペルオキシソームの機能と形成の多様性、および適応性の獲得機構の解明を目指す。 令和2年度は、昨年度までに行ってきたPEX4に加え、ペルオキシソームタンパク質輸送と形成機構に異常を示すシロイヌナズナのapem6変異体を中心に解析を進めた。 PEX4については、これまでのデータをまとめた論文の執筆を開始しており、英文校閲後できるだけ早く投稿する予定である。 APEM6遺伝子は機能未知の新規タンパク質をコードしている。3次元構造の立体予測からAPEM6タンパク質は脂質結合能をもつタンパク質と類似性を示すことが明らかとなり、種々の脂質がブロットされたメンブレンを用いた解析から、APEM6タンパク質も脂質結合能を有し、apem6変異が入ることによって、その活性が異常になることが明らかとなった。また、複数のオルガネラに局在することから、オルガネラ間の膜脂質動態に寄与していることが示唆された。現在、論文としてまとめるべく準備を進めている。
|
Research Products
(2 results)