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2017 Fiscal Year Research-status Report

魚類と両生類の比較解析から解き明かすバソプレシン/バソトシンV2受容体の機能進化

Research Project

Project/Area Number 17K07468
Research InstitutionUniversity of Toyama

Principal Investigator

今野 紀文  富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 講師 (50507051)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywordsバソトシン
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、真骨魚類と両生類において、V2aRとV2bRの機能を明らかにすることである。これらの機能を両動物群で比較することで、V2受容体の機能進化が脊椎動物の環境適応の歴史(水生から陸生への進化)にどのような影響を与えたのかという、生命進化の謎の解明を目指している。平成29年度の研究では、V2aRおよびV2bRをノックアウトしたメダカを用いて、その表現型を探索することを試みた。V2aR-KOメダカと野生型メダカを低張飼育水(淡水)、等張飼育水(300 mOsmol)、高張飼育水(600 mOsmol)に順化させた後、それらの筋肉水分率と血漿Na+濃度を測定し、両群で比較した。その結果、いずれの処理群においても、筋肉水分率および血漿Na+濃度に有意な差異は認められなかった。四肢動物において、V2aRの機能欠損は腎臓での水再吸収ができずに脱水を引きおこすことが知られているが、メダカでは高張液処理にもかかわらず脱水が起こらなかった。これは魚類のV2aRは四肢動物がもつような抗利尿作用に関与しないことを示唆している。また、V2aR-KOメダカの鰓においてAQP3水チャネルの発現が野生型に比べて低下していることを見出した。現在、VT-V2aR系がAQP3発現に影響を及ぼしているかについて検証している。さらに、メダカの体組織におけるV2aRの局在を明らかにするため、V2aR遺伝子の転写調節領域にeGFPをつないだトランスジーンをメダカゲノムに導入したトランスジェニックメダカの作製に取り組み、緑色蛍光を発するいくつかのトランスジェニック系統を作出した。同様の手法で、メダカV2bR、トロピカリスV2bRの局在を調べるためのトランスジェニック個体の作製に着手している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

V2aRおよびV2bRの局在観察において、当初はin situハイブリダイゼーションによる解析を行っていたが、両受容体の発現量が少ないことから、ポジティブなシグナルを得ることができなかった。そこで、両受容体遺伝子の転写調節領域に高感度緑色蛍光タンパク質eGFPを連結させたトランスジーンを動物のゲノムに導入したトランスジェニックを作成することで、両受容体の転写調節領域に依存した受容体発現シグナル(eGFP)を捉えることに方針を転換した。そのため、当初の予定より少し進捗が遅れている。現在、メダカにおいてはV2aRに対するトランスジェニック系統を作出済みで、今後、メダカV2bRやトロピカリスのV2aRおよびV2bRに対しても同様の手法でトランスジェニック動物を作製し、受容体の局在観察を行う予定である。

Strategy for Future Research Activity

V2aRおよびV2bRの局在観察において、当初はin situハイブリダイゼーションによる解析を行っていたが、両受容体の発現量が少ないことから、ポジティブなシグナルを得ることができなかった。そこで、両受容体遺伝子の転写調節領域に高感度緑色蛍光タンパク質eGFPを連結させたトランスジーンを動物のゲノムに導入したトランスジェニックを作成することで、両受容体の転写調節領域に依存した受容体発現シグナル(eGFP)を捉えることに方針を転換した。そのため、当初の予定より少し進捗が遅れている。現在、メダカにおいてはV2aRに対するトランスジェニック系統を作出済みで、今後、メダカV2bRやトロピカリスのV2aRおよびV2bRに対しても同様の手法でトランスジェニック動物を作製し、受容体の局在観察を行う予定である。
また、ツメガエルの受容体ノックアウトについては、最初、TALENによるノックアウトを試みたが、TALENでは変異導入に働くタンパク質に翻訳されるまで時間がかかり、その分、生殖細胞への変異導入がされにくいことが新たに解ったため、CRISPR/Cas9法に変更して再度、ノックアウトの作製を行う予定である。

  • Research Products

    (7 results)

All 2018 2017

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (5 results)

  • [Journal Article] Distribution of pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide 2 in zebrafish brain.2018

    • Author(s)
      Nakamachi T, Kamata E, Tanigawa A, Konno N, Shioda S, Matsuda K.
    • Journal Title

      Peptides

      Volume: 103 Pages: 40-47

    • DOI

      10.1016/j.peptides.2018.03.006.

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Neuropeptide Y-Induced Orexigenic Action Is Attenuated by the Orexin Receptor Antagonist in Bullfrog Larvae.2017

    • Author(s)
      Matsuda K, Matsumura K, Shimizu SS, Nakamachi T, Konno N.
    • Journal Title

      Frontiers in neurosience

      Volume: 11 Pages: 176

    • DOI

      10.3389/fnins.2017.00176.

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] メダカの鰓におけるバソトシンV2a受容体とAQP3の機能連関の可能性2017

    • Author(s)
      稲垣祐香、中町智哉、松田恒平、今野紀文
    • Organizer
      第32回 日本下垂体研究会学術集会
  • [Presentation] メダカとツメガエルにおけるウロテンシンⅡ受容体サブタイプの同定2017

    • Author(s)
      高野 萌、海谷啓之、中町智哉、松田恒平、今野紀文
    • Organizer
      第88回日本動物学会大会
  • [Presentation] メダカの鰓におけるバソトシンV2a受容体とAQP3の機能的関連性2017

    • Author(s)
      稲垣祐香、中町智哉、松田恒平、今野紀文
    • Organizer
      第88回日本動物学会大会
  • [Presentation] メダカとツメガエルにおけるウロテンシンⅡ受容体サブタイプの同定2017

    • Author(s)
      高野 萌、海谷啓之、中町智哉、松田恒平、今野紀文
    • Organizer
      第42回日本比較内分泌学会大会
  • [Presentation] バソトシンノックアウトメダカの自発遊泳行動の解析2017

    • Author(s)
      井口わかな、中町智哉、松田恒平、今野紀文
    • Organizer
      第12回シンポジウム「水生動物の行動と神経系」

URL: 

Published: 2018-12-17  

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