2017 Fiscal Year Research-status Report
機械化栽培体系の確立を目指したアズキの長胚軸性と有限伸育性QTLの同定
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17K07618
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
森 正彦 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (60645711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 仁 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 農業研究本部十勝農業試験場, 主査 (20536643)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 上胚軸 / QTL-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
長胚軸系統の「十育161号」と普通胚軸系統の「十育164号」の交配に由来する155系統のF6世代の組換え自殖系統(RILs)を単粒系統法によりF7世代に世代を進めた。QTL-seq解析に供試するRILsを選抜するためにF7世代の155 RILsを系統あたり12粒播種し、昼16時間(20℃)、夜8時間(15℃)の人工気象室条件下で生育させ、胚軸の伸長が停止した2~3葉期に上胚軸長を測定した。その結果、「十育161号」の上胚軸は「十育164号」よりも長く(P<0.001)、RILsの上胚軸長は連続的に幅広い分布(3.2~14.1 cm)を示した。以上から得られた上胚軸長データをもとに、長胚軸系統(上胚軸長平均値12.9 cm)と短胚軸系統(3.9 cm)をそれぞれ10系統ずつ選抜した。現在は、各系統から抽出したDNAを等量ずつ混ぜ合わせた長胚軸系統バルクと短胚軸系統バルクおよび両親系統の全ゲノムシーケンス解析を実施中である。 出芽後の生育温度が上胚軸の伸長に与える影響を解析するために「十育161号」と「十育164号」を3つの温度条件下(低温区、標準区、高温区)で栽培し各処理区の上胚軸長を評価した。その結果、両系統ともに生育温度が上昇すると上胚軸が長くなること、処理温度に関わらず常に「十育161号」の上胚軸が「十育164号」よりも長いことが判明した。両系統の上胚軸長の比を各温度処理区で比較したところ、生育温度に関わらずほぼ一定であった。このことから生育温度に対する上胚軸の伸長反応には系統間差が無いと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H29年度に計画していたQTL-seq法に供試する系統の選抜を終え、全ゲノムシーケンス解析を進行中であるため。 一方、H30年度に実施を予定していた無限伸育性の解析については、供試したRILsのうち無限伸育性を示したものが1系統のみであったためQTL-seq法によるQTL解析は困難となった。このため、H29年度に「十育161号」と「十育164号」の交配を実施し、QTL解析に使用するF2集団を新たに作出した。
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Strategy for Future Research Activity |
全ゲノムシーケンス解析から得られたデータをもとにQTL-seq解析を行うとともに、RILsの上胚軸長データの再現性を圃場条件下で確認する。 「十育161 号」と「十育164 号」の全シーケンスデータをもとに、QTL 領域を詳細化するためのマーカーを作出する。 QTL-seq解析により特定するQTL 領域を単独にもつ材料を選定し、戻し交配を行い、候補遺伝子の絞り込みに必要な材料を作製する。 新たに作出した「十育161号」と「十育164号」のF2集団を用いて無限伸育性のQTL解析を行う。
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Causes of Carryover |
(理由)当年度は計画的に予算執行をしてきたが、シーケンス解析が当初予定よりも安価であったこともあり22円の残額が生じた。 (使用計画)次年度の予算(物品費)に組み込み、計画的かつ適正に使用する。
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Research Products
(1 results)