2018 Fiscal Year Research-status Report
Studies on the infection mechanism of Xanthomonas pathogen by inhibition of actin cytoskeleton of plant host
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17K07676
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
秋本 千春 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (50414876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 学 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (80391564)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | タイプⅢエフェクター / 植物病原細菌 / 相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
キサントモナス属の植物病原細菌が分泌するタイプⅢエフェクター(T3E)の宿主内ターゲットの宿主内での機能を解析するため、T3Eの宿主内ターゲットと考えられる因子を欠損した変異体の作製を試みた。この宿主内ターゲットはシロイヌナズナにおいて3つのサブユニットからなっている。3つのうちの2つについて、2重変異体を光条件を変化させて作製した。2重変異体は8時間明期の栽培条件においては野生株と比較して矮小化が観察されたが、16時間明期では野生株と同様の生育を示した。これまで、XopR発現植物は8時間明期の栽培条件において矮小化することが明らかとなっており、同様の表現型を示した。 GFPで標識したアクチンを恒常的に発現するシロイヌナズナ(actin:GFP)にT3Eを誘導発現させたところ、T3E発現植物ではアクチン骨格が非誘導植物と比較して変化していた。また、actin:GFPに宿主内ターゲットの阻害剤を作用させたところ、T3E発現植物と同様に、アクチン骨格のかく乱が生じていた。 以上の結果から、T3Eは宿主内ターゲットと結合すること、宿主内ターゲットは光条件に応答すること、T3Eはアクチン骨格のかく乱をもたらすこと、宿主内ターゲットの抑制もアクチン骨格のかく乱をもたらすことが明らかとなった。これらが植物の基礎的抵抗反応の抑制にどのように関与しているかを、変異植物の表現型解析を通じて明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来の光条件では困難だった宿主内ターゲットの2重変異体の作製を、新たな光条件にて作製することに成功した。2重変異体の解析により、宿主内ターゲットは光条件に応答することが明らかとなった。これまで、T3E発現植物は8時間明期の栽培条件において矮小化することが明らかとなっており、この2重変異体も同様の表現型を示した。また、アクチンにGFPで標識した変異体にT3Eを強制発現する変異体も作成した。この変異体の観察により、T3Eがアクチン骨格形成に影響を与えていることを可視化できた。これらの変異体の作製の成功により、T3Eの機能解析が順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
変異体をもちいて、T3E発現植物における宿主内ターゲットの解析を行う。さらに、光条件が宿主内ターゲットにどのような影響を及ぼしているのか、基礎的抵抗反応を抑制している原因について解析を進める。
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Causes of Carryover |
昨年度実施予定であったアグロバクテリウムを用いた一過性発現系のタンパク質実験を実施できなかったため、残余金が生じた。平成31年度は従来の計画に 加え、MAMPs処理による顕微鏡観察や酵素活性測定等を実施する予定であり、当初の予算に加え当該残余金を充てる予定
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