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2017 Fiscal Year Research-status Report

水産植物スサビノリのゲノム編集による新育種基盤技術の研究開発

Research Project

Project/Area Number 17K07902
Research InstitutionHirosaki University

Principal Investigator

福田 覚  弘前大学, 食料科学研究所, 准教授 (20520951)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 泉 ひかり  弘前大学, 食料科学研究所, 助教 (10784027)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywordsスサビノリ / 形質転換 / ゲノム編集
Outline of Annual Research Achievements

海藻類の養殖業ではノリ類が生産量の7 割を占めている。ノリ類の代表的な品種はスサビノリであり、わが国の重要な水産物である。昨今、養殖海苔の白化問題や病害などが多発し、200 億円(生産額の約20%に相当)もの損害が出ることもある。そのため、ノリの安定生産、かつ高品質・高収量そして耐病性などの品種改良に向けて、ノリ独自の新育種基盤技術の整備が急務である。
本研究は、申請者らが開発したスサビノリの遺伝子導入技術を応用し、スサビノリのゲノム編集技術の確立に挑戦する。また、レポーター遺伝子をノックインしたスサビノリを用いて減数分裂時期の基礎的知見を得ることで、ノリ育種研究の発展に繋げることが目的である。
具体的には、これまで開発した室内培養や遺伝子導入技術の応用とノウハウを駆使して、CRISPR/Cas9 システムがスサビノリで機能することを実証する。また、ゲノム編集で作出したスサビノリ形質転換体(遺伝子ノックインスサビノリ)は、原理上1 コピーの任意配列がゲノムDNA 内に挿入されていると考えられる。そのため、このノックインスサビノリを利用して、これまで困難であった交配実験系による遺伝子レベルでのスサビノリ減数分裂時期の基礎的知見を得ることができる。
当該年度は、スサビノリの糸状の胞子体(糸状体)を対象にハイグロマイシン耐性遺伝子を持つ他殖の糸状体を選抜可能にするため、純系株および既存の方法で作出したハイグロマイシン耐性株の糸状体を対象にハイグロマイシン感受性試験を実施し、ハイグロマイシンが糸状体に影響を及ぼす致死濃度を調べた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまで開発した遺伝子導入技術では形質転換体を得るため、ハイグロマイシン耐性遺伝子を導入したスサビノリの葉状の配偶体(葉状体)を対象に薬剤耐性株を選抜してきた。
スサビノリを用いて減数分裂時期の基礎的知見を得るには、糸状体世代を介して形質転換体を選抜する必要があるため、糸状体のハイグロマイシン感受性試験を行った。その結果、糸状体に対するハイグロマイシン致死濃度を明らかにした。
当該年度の目標である「ハイグロマイシンが糸状体に影響を及ぼす致死濃度の決定」が達成できたため、おおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

レポーター遺伝子と選択マーカーを持つ遺伝子ノックインスサビノリを作出するため、ゲノム編集技術(CRISPR/Cas9 システム)がスサビノリでも機能することを検証する。

Causes of Carryover

当該年度研究計画の遂行にあたり、スサビノリの生細胞内でCas9タンパク質を発現させる一過的遺伝子発現系の候補にパーティクルガン以外の導入手法も有効と分かり実証する必要が生じた。そのため、当該年度は他の導入手法による実験系の適用可否を試験したところ、実用の可能性が見込まれる結果が得られた。したがって、研究期間を翌年度まで延長し、他の導入手法の実用性を実証することで当初の研究目的を達成することができると判断し、次年度使用を計画するものである。

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Published: 2018-12-17  

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