2022 Fiscal Year Annual Research Report
An Empirical Study of Agricultural Extension Activities and Professional Development of Extension Officers Corresponding to Changes in The Innovation Process
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17K07982
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
上田 賢悦 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (70611226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 誠喜 昭和女子大学, 生活科学部, 教授 (90225095)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 普及指導員 / 農業普及 / 経験学習 / 熟達化 / 人材育成 / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,これまでの研究成果のフィードバック活動を中心に行った。まず、東北6県の協同農業普及事業主務課の革新支援専門員(普及手法)で構成される東北ブロック普及活動調査研究会と共同で、OJT支援ツールの開発および実証を行った。また,研究全体の統括・取りまとめを行い,普及指導員の人材育成を進めるためのマネジメントのあり方について,東北ブロック普及活動調査研究会,岩手県および宮城県の普及指導員研修会において提言を行った。 なお,研究期間を通じたまとめは以下の通りである。本研究の到達点の第一は,「イノベーション・プロセスの変化」という視点から普及活動を捉え,その変化に適応する普及指導員像を明確にしたことである。農業経営上の課題解決のための優良な「アイデアの種」を農家に提示し,農家,研究者,関連組織が協働して技術を創る「場」をマネジメントする普及活動を展開するために,普及指導員には多様なステークホルダーを巻き込みながら,提案・合意形成・共創といった機能を発揮することが求められることを実証的に明らかにした。 第二は,各都道府県に共通する普及指導員の人材育成の課題を明らかにしたことである。各都道府県では,普及指導員の専門や行政能力等を高めるOff-JTや特定のトレーナーによるOJTを中心とした人材育成活動が行われているが,その仕組みを整えるためのマネジメントは十分に行われていない。また,マネジメントの充足加えて人材育成活動とマネジメントとの連動が,人材育成の成功につながる要因になっている可能性が確認された。 第三に,入庁から中堅普及指導員に至るまでの様々な経験が,普及指導員としての信念や仕事観の形成や,維持・強化に影響を与えていることを明らかにしたことである。そして,「経験学習」実行度が高い群では「成長実感」「普及指導員としてのポジティブな感情」「職務適応」の評価が高いことを確認した。
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Research Products
(5 results)