2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the Symbiotic Welfare Society Triggered by Agri-Therapy Based on Rural Areas
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17K07987
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
中川 光弘 茨城大学, 農学部, 教授 (30302334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢口 芳生 福知山公立大学, 地域経営学部, 教授 (70302908)
高橋 京子 大阪大学, 総合学術博物館, 准教授 (00140400)
内田 晋 茨城大学, 農学部, 准教授 (30631014)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アグリセラピー / 共生福祉社会 / 農福連携 / 食農業教育 / グリーンケア |
Outline of Annual Research Achievements |
アグリセラピー(農業療法)の食養生と心理療法の効果を中心に検証を行った。まず食養生に関しては、食生活改善による生活習慣病予防の可能性を検討した。「国民健康栄養調査」と「人口動態調査」のデータを使って、食物摂取量と癌死亡率との相関性を分析した。相関係数を計測し、T検定で相関性を検討したが、疑似相関の可能性を排除するために男女ともに3つ以上の疾患部位で相関性が確認された食物を抽出し、癌死亡率と相関性のある食物群とした。正の相関性があるものとして、これまでにも指摘されてきた「魚介加工品」、「魚介(塩蔵、生干し、乾物)」とともに、新たに「うどん、中華麺」、「じゃがいも・加工品」、「たい、かれい類」、「味噌」が確認された。負の相関性があるものとして、これまでに指摘されてきた「植物性食品」、「大豆(全粒)・加工品」とともに新たに「(食物摂取)総量」、「えび、かに類」が確認された。 心疾患、脳血管疾患についても、食物摂取量と死亡率の相関性を検討したが、心疾患については「納豆」などが、脳血管疾患には「肉類」などがリスク抑制傾向があることを確認した。生活習慣病の種類ごとにリスク食物群は異なっている。食生活改善による生活習慣病予防の可能性が示唆された。 心理療法に関しては、ハーブ栽培を中心にアグリセラピーを実践している社会福祉施設の利用者の事例調査を行った。GHQ、TEG、MMPIの心理テストを使って評価を行ったが、MMPIは服薬の影響を大きく受けること、ストレス状況の中期的変化をGHQが比較的適切に把握すること、心理的不適合を起こしやすいTEGのパターンがあることなどを確認した。アグリセラピーによる症状改善の効果を心理テストである程度把握できることを確認した。 アグリセラピーは一般人にも患者にも有効であるが、弱者である患者への適用には、制度的な政策支援が必要である。
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Research Products
(21 results)