2019 Fiscal Year Annual Research Report
Does lidocaine affect the prognosis of animals with tumor disease? Focused on the radiosensitizing effect of lidocaine.
Project/Area Number |
17K08105
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
井芹 俊恵 山口大学, 共同獣医学部, 助教 (00453142)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 麻酔 / リドカイン / 局所麻酔薬 / 腫瘍 / 放射線治療 / 獣医麻酔学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、麻酔方法の選択が患者予後に影響するのかについて着目した。局所麻酔薬リドカイン(Lid)が上皮成長因子受容体(EGFR)を抑制する基礎的研究の報告、およびEGFR阻害薬が放射線増感効果を持つ報告から、放射線治療を行う犬の腫瘍疾患症例の全身麻酔にLidを組み合わせた場合の予後に与える影響を検討するために、腫瘍細胞を用いた基礎的検討および臨床例の放射線治療を検討した。 犬の悪性黒色腫の細胞株2株(LMeCとKMeC)を用いて、Lidの放射線増感作用について検討した。RT-PCRの結果、LMeCはKMeCに比べてEGFRを高発現しており、Lid添加でその発現量はKMeCと同程度まで減少した。両株でLidは高濃度で直接的な細胞毒性を示し、放射線1回4Gy照射との併用で増殖能はLMeCではLid高濃度で抑制されたが、KMeCではLid濃度は影響しなかった(第97回日本獣医麻酔外科学)。実際の臨床では放射線治療は長期間複数回分割で行われる。そこで3週間6分割合計24Gy、5週間10分割合計40Gyの照射と組み合わせて検討した。細胞生存率は両株とも照射の影響は小さく、Lid高濃度で低下した。増殖能は40Gyで激減し、さらにLid濃度依存性に低下した。一方で、非照射時では生存率および増殖能がLid無添加に比べLid低濃度で一旦増加してから高濃度で低下した。これらの結果からLidは放射線増感作用をもつ可能性が示唆されたが、使い方によっては腫瘍細胞を保護する可能性も考えられ、さらなる検討が必要であると考えられた。 並行して、より正確な放射線治療を行うために小動物治療に適したリニアック装置の条件検討を行い(第31回日本放射線腫瘍学会)、またLid非使用の比較データとして、これまで山口大学動物医療センターで実施された放射線治療症例の成績について報告した(第99回日本獣医麻酔外科学会)。
|
Research Products
(2 results)