2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of molecular bases of next generation vaccine: Approach from antigen depot delivery system
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17K08254
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
浅井 大輔 昭和薬科大学, 薬学部, 准教授 (10423485)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ワクチン / 抗原徐放 / DDS / バルクゲル / 生分解材料 / インジェクタブルポリマー / 人工エラスチン / 破傷風トキソイド |
Outline of Annual Research Achievements |
人工エラスチンはペンタペプチドユニットの繰り返し配列(Val-Pro-Gly-Xaa-Gly)nにより構成され、温度に応じた可逆的な体積相転移活性をもつユニークな高分子材料である。その相転移温度は、①ゲスト残基:Xaaの疎水性度、②ELPの濃度、③ペンタペプチドの繰り返し数:nの3つのパラメータにより自由に設定することができる。これらの物性と2019年12月に新たに得られた生分解性に関するdataとの整合性を取る為に、温度応答性・力学強度について追加実験を行った。Xaaに様々な規則性をもたせてCys残基を配置すると化学ゲルになり、この規則性を変えると、ゲルの粘弾性や薬物封入率、封入薬物の初期バースト等のゲル基剤としての性能、さらには、当該ゲルを生体内に留置した時の生分解性をコントロール可能であることを見出した。当該事業では、ゲルに内包する薬物として破傷風トキソイド抗原を用い、抗原徐放の抗体産生に与える影響を、抗体価・avidity・有効抗体力価の持続時間の面において実験的に証明することができた。当該事業で用いているデポ基剤には、主にタンパク質・ペプチドといった中~高分子薬物の貯留が可能であり、さらには、複数種の薬物の貯留も可能であった。Xaaに正/負電荷アミノ酸を規則的に配置すると静電相互作用を利用した薬物貯留の可能性を示唆する結果も得られた。今後、本研究事業で得られた結果を基に、破傷風トキソイド以外の薬物デポを視野に入れて、研究を展開していく予定である。
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Research Products
(7 results)