2017 Fiscal Year Research-status Report
Role of alpha1,6-fucosyltransferase Fut8 in neuron-glia interactions
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17K08284
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
福田 友彦 東北医科薬科大学, 薬学部, 准教授 (40433510)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Fut8 / α1,6フコース / 糖鎖 / ニューロン-グリア相互作用 / AMPA受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
Fut8欠損マウスにおいて神経細胞表面のAMPA受容体数の増加が認められたことから、AMPA受容体の膜表面量の調節におけるα1,6フコースの機能を明らかにするため、H29年度は、AMPA受容体数の増加に重要なα1,6フコースの付加部位の同定を行った。具体的には、AMPA受容体を構成するGluA1-4各サブユニットには4から6ヶ所のN-結合型糖鎖付加部位があることから、どの部位に付加されたα1,6フコースが複合体形成能の亢進に寄与するのか検討するため、糖鎖付加部位に変異を導入したサブユニットを293T細胞に導入し、Wild-typeの細胞でもFut8欠損細胞と同様に複合体形成能の亢進に寄与する糖鎖付加部位を同定を試みた。しかし、複合体形成能の亢進に明らかに重要であることを示す糖鎖付加部位は見いだせなかった。そのため、次に検討を予定していた糖鎖変異体を餅田Ca2+透過性に与える影響・グルタミン酸の毒性発現に対する反応性の違いについての検討を中断し、H30年度に予定していた Tripartite synapseにおけるα1,6フコースの役割の解明を前倒しで実施している。具体的にはアストロサイトにおけるα1,6フコースの機能を検討するため、Fut8を欠損させたC6グリオーマ細胞を作製・分化誘導による突起形成と分岐に与える影響と細胞マーカーGFAPの発現量の変化を解析した。明らかにα1,6フコースがグリオーマ細胞の機能に重要であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AMPA受容体に焦点を絞って行っている検討では、明確な変化を見いだせず、足踏みしているが、ニューロン・グリア細胞の機能に焦点を絞った研究では、α1,6フコースの機能が中枢神経系において重要であることを示す結果を見いだしつつある。細胞レベルで見いだした結果を、組織・個体レベルでも検討する準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在見いだしつつある、アストロサイトにおけるα1,6フコースの機能に加え、 アストロサイトと同様にユニークな機能を持つグリア細胞であるミクログリアにも注目し、α1,6フコースの機能を検討する。すでに、株化ミクログリア細胞BV-2 細胞からFut8を欠損させたBV-2細胞の作成を開始している。現在は機能の異なる細胞での機能を検討しているがこれらの結果を組織レベルでも検討する。
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