2017 Fiscal Year Research-status Report
渦鞭毛藻ポリケチドをシーズとした新しいタイプの抗感染症薬の開発
Project/Area Number |
17K08345
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
久保田 高明 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (60399954)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 渦鞭毛藻 / ポリケチド / 抗感染症薬 / 深在性真菌症 / 原虫感染症 / マラリア / トリパノソーマ |
Outline of Annual Research Achievements |
薬剤耐性や地球温暖化による感染症の拡大は世界的な脅威であり、新たな抗感染症薬の開発が急務である。本研究課題では、他の生物が作りだせない特異な炭素骨格のポリケチドを生産するにも関わらず、医薬品シーズ探索の素材としてあまり注目されていない渦鞭毛藻を素材として、新しいタイプの抗感染症薬の開発を目指して研究を進めている。 本年度は、研究代表者が保存している渦鞭毛藻に加えて新たに沖縄で採集した渦鞭毛藻を、培地を添加した滅菌海水を用いて、明期16時間、暗期8時間の光周期下で培養し、培養により得られた渦鞭毛藻に含まれる成分を種々の有機溶媒を用いて抽出した。一方、培養中に渦鞭毛藻が培養液に放出した成分については、ポリマー系の担体に吸着させた後、種々の有機溶媒を用いて抽出した。得られた抽出物を液液分配により分画し、種々の担体を用いたカラムクロマトグラフィーにより分離を進めた結果、数種の新規ポリケチドを単離することに成功した。各種スペクトル(NMR、IR、MSなど)や計算化学により得られたデータに基づいて構造解析を行い、一部の立体化学を含めて新規ポリケチドの構造を明らかにした。 現在、新規ポリケチドの立体化学の解析を行うとともに、新規ポリケチドおよび同時に得られた既知ポリケチドの深在性真菌症原因菌(アスペルギルス、カンジダ、クリプトコッカス)に対する抗真菌活性試験や、マラリア原虫およびトリパノソーマ原虫に対する抗原虫活性試験の実施に向けて準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規ポリケチドを単離することに成功したが、完全な構造決定には至らなかった。また、サンプル量の問題で生物活性試験を実施するまでには至らなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度も新規ポリケチドの探索を継続して行うとともに、平成29年度に得られた新規ポリケチドの完全な構造決定を行う。また、新規および既知ポリケチドの深在性真菌症原因菌に対する抗真菌活性試験や、マラリア原虫およびトリパノソーマ原虫に対する抗原虫活性試験を実施する。顕著な活性を示した化合物について正常細胞に対する毒性試験を行い、上記活性に対する選択を評価する。良好な選択性を示した化合物については種々の誘導体を調製し、さらに選択性の高い化合物の獲得を目指す。選択性の低い化合物についても、同様に誘導体調製を行い、選択性の高い化合物の創出を目指す。
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Causes of Carryover |
平成29年度は、新規ポリケチドを単離することに成功したが、完全な構造決定には至らなかった。また、サンプル量の問題で生物活性試験を実施するまでには至らなかった。これらの理由により次年度使用額が生じた。 平成30年度は新規ポリケチドの探索を継続して行うとともに、平成29年度に得られた新規ポリケチドの完全な構造決定を行う。また、新規および既知ポリケチドの深在性真菌症原因菌に対する抗真菌活性試験や、マラリア原虫およびトリパノソーマ原虫に対する抗原虫活性試験を実施する。顕著な活性を示した化合物について正常細胞に対する毒性試験を行い、上記活性に対する選択を評価する。良好な選択性を示した化合物については種々の誘導体を調製し、さらに選択性の高い化合物の獲得を目指す。選択性の低い化合物についても、同様に誘導体調製を行い、選択性の高い化合物の創出を目指す。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Zamamidine D, a new manzamine alkaloid from an Okinawan marine sponge Amphimedon sp.2017
Author(s)
Takaaki Kubota, Shin-ichiro Kurimoto, Kenta Nakamura, Kanae Sakai, Rei Hokari, Aki Ishiyama, Masato Iwatsuki, Kazuhiko Otoguro, Tohru Gonoi, Satoshi Omura, Jun’ichi Kobayashi
Organizer
America Society of Pharmacognosy 2017 Annual Meeting
Int'l Joint Research
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