2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of an advanced protein linking technology for generating innovative biopharmaceuticals
Project/Area Number |
17K08368
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中西 猛 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 講師 (20422074)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 抗体 / バイオ医薬 / タンパク質工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、研究代表者らが開発した特異的タンパク質連結技術を発展させることによって、優れた機能を発揮するバイオ医薬開発技術を確立することを目的としている。本年度は、ヘテロ4量体を形成する短鎖ペプチドを利用することによって、T細胞表面抗原および2種のがん関連抗原を標的とする三重特異性抗体を新たに設計し、その調製系の構築を進めた。大腸菌を用いて組換え抗体を発現させ、培養上清から金属キレートアフィニティークロマトグラフィーにより精製したところ、高純度な目的タンパク質を得ることができた。フローサイトメトリーを用いて、標的細胞への結合を評価した結果、2種のがん細胞に対する結合は見られたが、T細胞に対する結合は見られなかった。今回設計した組換え抗体では、短鎖ペプチドのヘテロ会合を介して、合計6つの抗体可変領域が連結されるため、可変領域の増加に伴って立体障害が生じ、標的細胞への結合に影響を与えたのかもしれない。現在、原因の究明に向けて検討を進めている。また、ナチュラルキラー細胞表面抗原および2種のがん関連抗原を標的とする三重特異性抗体についても、大腸菌発現系による調製を進めた結果、前述と同様の方法を用いて、目的タンパク質を得ることができた。現在、調製した組換え抗体について、標的細胞に対する結合などの評価を進めており、ナチュラルキラー細胞をエフェクター細胞として用いたがん細胞傷害性の評価も検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者らが開発したタンパク質連結技術を用いて、三重特異性抗体を作製できる可能性を示すことができたと考えているが、作製した組換え抗体は、期待した機能を十分に示さなかったことから、当初計画していた評価に遅れが生じているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画よりやや遅れているため、期待した機能を示さなかった組換え抗体について、原因の究明を進めつつ、もう一方の組換え抗体について、迅速に評価を行う。進捗状況に応じて、作製する組換え抗体を絞り込む必要性も検討する。
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