2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of an advanced protein linking technology for generating innovative biopharmaceuticals
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17K08368
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中西 猛 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (20422074)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 抗体 / バイオ医薬 / タンパク質工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究代表者らが開発したタンパク質連結技術を用いて、ナチュラルキラー細胞表面抗原CD16および2種のがん関連抗原(EGFRおよびHER2)を標的とするヘテロ4量体型三重特異性抗体の調製および機能評価を進めた。まず、大腸菌を用いて組換え抗体を発現させ、金属キレートアフィニティークロマトグラフィーにより目的タンパク質を高純度に精製した。ゲルろ過クロマトグラフィーにより組換え抗体の会合状態を調べたところ、設計通りのヘテロ4量体と考えられるピークが見られたが、2量体と考えられる分子種も同程度存在することがわかった。以前に作製した二重特異性抗体においては、主にヘテロ4量体として存在したことから、新たに2つの抗体可変領域を連結したことによって立体障害が生じ、短鎖ペプチド間の相互作用に影響を与えたと考えている。フローサイトメトリーを用いて、がん細胞への結合を評価した結果、組換え抗体は標的がん細胞に対して特異的に結合することがわかった。表面プラズモン共鳴法(SPR法)を用いて、可溶性CD16に対する結合の速度論的解析を行った結果、結合価が1価の抗体と比較して、解離速度が遅いことがわかった。また、可溶性EGFRを固定化したセンサーチップに対して、組換え抗体を添加した後、さらに可溶性CD16および可溶性HER2を順に添加したところ、すべての場合においてレスポンスの増加が見られたことから、作製した組換え抗体は三重特異性を有すると考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
作製した組換え抗体は、期待通りの機能を示したが、設計とは異なる分子種が含まれていることがわかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
抗体可変領域同士の立体障害を緩和するために、ペプチドリンカーの鎖長や配列を検討する。当初の計画よりやや遅れているため、進捗状況に応じて、作製する組換え抗体の絞り込みも検討する。
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