2018 Fiscal Year Research-status Report
アトピー性皮膚炎に対する抗感覚受容チャネル分子療法の効果の検討
Project/Area Number |
17K08514
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
海藤 俊行 鳥取大学, 医学部, 教授 (70268837)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 免疫組織化学法 |
Outline of Annual Research Achievements |
アトピー性皮膚炎に対する抗感覚受容チャネル分子療法の効果の検討:本実験に使用している、アトピー性皮膚炎モデル動物の「NCヘアレスマウス」は、トランスジェニックマウスの製造会社において、凍結胚として保存していた状態から成長・増殖させる必要があった。そのため、本学動物実験施設での受け入れ態勢を整えて、さらに実験に必要な匹数を確保するのに長期間かかったが、平成30年度には、20匹のNCヘアレスマウスを製造元より入手して、動物実験施設で安定的に管理しながら、ジニトロフルオロベンゼンの塗布によるアトピー性皮膚炎を発症させ、薬物療法の実験を実施した。 誘発方法は予定通りに実施し、25%オリーブオイル+75%アセトン混液に溶解したジニトロフルオロベンゼン(DNFB)をNCヘアレスマウスの皮膚(耳介、背部)に、1か月以上にわたり塗布を繰り返したあと、ステロイド系抗炎症薬、タクロリムス免疫抑制薬、抗ヒスタミン薬、チャネル分子阻害剤を基剤に溶解するなどして外用投与した。チャネル分子阻害剤については予定した薬品以外に新規の薬品が入手できたので2種類を使用した。 その後、約2週間にわたり皮膚の炎症状態の変化・緩解状況を確認しながら上記の薬物塗布を繰り返した。次いでマウスに対して潅流固定を行い耳介皮膚の試料を採取して、凍結保存後クリオスタットで薄切し、薬物投与の効果と感覚受容チャネル分子の発現状況についてコントロール群と比較しながら免疫組織化学法を中心に比較検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた、アトピー性皮膚炎を発症するトランスジェニックマウスの入手、アトピー性皮膚炎モデルの作製、薬物療法の実施まで実験を進めることができた。さらに免疫組織化学法を中心に薬物投与の効果と感覚受容チャネル分子の発現状況について免疫組織化学法で検討を行っているのでおおむね順調と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度なので、実験の個体数を増やすために本年度もアトピー性皮膚炎トランスジェニックマウスの入手、アトピー性皮膚炎モデルの作製、薬物療法の実施を進め、採取した皮膚組織について免疫組織化学法を中心に薬物投与の効果と感覚受容チャネル分子の変化を検討したい。チャネル分子の局在については、高倍率の接眼レンズを利用したデジタル観察によってある程度解析可能なので免疫組織化学法を中心に検討していきたい。さらに実験の成果をまとめて、学術的な発表を行う予定である。
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