2018 Fiscal Year Research-status Report
Do trace amine associated receptors (TAARs) affect the contraction mechanism on cerebral vessels? - functional analysis using a real-time confocal microscope-
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17K08516
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
齋野 朝幸 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40305991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 誠 岩手医科大学, 薬学部, 准教授 (00405846)
佐藤 洋一 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40118253) [Withdrawn]
横山 拓矢 岩手医科大学, 医学部, 助教 (70772094)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 微量アミン関連受容体 / 細動脈 / 細胞内カルシウムイオン / カルシウムイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
生体アミンと共に分泌されると考えられている微量アミン(trace amine : TA)は、各種脳神経疾患に関係しているとのことで近年注目されている。特にその中でもTAAR1は、β-フェネチルアミン等のTAに応答するGタンパク質共役型受容体で、ドーパミンシステムを調節するといわれている。が、脳神経疾患の発現や増悪に重要な役割を果たすと考えられている微小血管である細動脈における、TA並びにTA 関連受容体(TAAR)の役割についての詳細は現在までよくわかっていない。そこで我々はTAARに着目し、組織学的形態を保ったラット脳細動脈におけるTA受容体の反応性を細胞内Ca2+濃度([Ca2+]i)変動を基に解析・検討することを企画した。TAARの発現についてRT-PCRを用いて確認したところ、同定されているほぼ全ての受容体の発現が確認できた。各種TAAR刺激薬で反応を確認したが、試薬により細胞内Ca2+の上昇を認めるものと認めないものが存在し、各試薬での反応性の統一がなく、①TAARによって細胞内情報伝達系に及ぼす種類が異なること、②TAARがそれ自身に加え、他の受容体にも関連している、ことが示唆された。今現在、その中の試薬の数点に注目し、反応の解析を行っている過程である。まだ実験が完結しておらず、引き続き微量アミン関連受容体試薬を用いて実験を継続する。また、受容体の違いについてもさらに考察する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
個人的な事務作業が増え、現在の教育改革のあおりを受け教育負担が増加している。また、実験を一緒に行ってもらうはずである大学院生が卒業したこと、および入学予定の大学院生の突然の入学辞退により、人的要因が不足し実験時間が十分に確保できていないために進行が遅れていることが最も重要な点にあげられる。また、先ほども記載したが、現在までに得られた実験結果として、TAAR刺激薬の細胞内Ca2+変動の反応性に統一性がなく、どの試薬に注目して今後実験を推し進めていくか継続検討しており、まだ更に検証が必要であると思われる。今後、残りの期間更に実験を加速しデーター収集に努力していく所存である。自分が十分な時間が取れず実験が行えない場合、共同実験者に依頼し、追加の実験を施行し、科研終了期限までにきちんとした結果が報告できるよう努力していく所存である。
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Strategy for Future Research Activity |
TAARの種類によって、①受容体自身のカルシウム動態における反応性が異なる可能性がある(チャネル型、Gタンパク質共役型など)、②TAARに別の受容体が修飾を及ぼしており、その修飾によりカルシウム動態における反応性が異なる、ことが主に考えられる。今まで検討を加えた試薬のうちで、特に数点に着目し、さらにどのような反応性の違いがあるか最終的な検討を加える。また、②に記載したTAARと別の受容体が関わっていないかの検討も必要である。②については、今までの結果から、特にセロトニン受容体がTAARに影響を及ぼしていることが考えられる。今後、今まで継続しているカルシウムイメージングの実験を更に加速させ、さらなる検討を加える。また、TAAR受容体がどこに存在するか(細胞膜、細胞質など)、可能であれば免疫組織化学的実験を加えて検証していく予定である。 これまでのデーターを元に、本年度中に学会での発表、および国際誌への投稿を検討する。
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Causes of Carryover |
予想外の大学教育用務のために、予定していた学会発表ができなかったため、それにかかるお金が使用困難となり次年度使用額が生じてしまった。また、次年度の予算配分額を考慮し、基金のため持ち越して使用する事を選択したことも次年度使用額が生じた理由に挙げられる。次年度は、研究活動を加速させ、本年度の研究結果に更なる実績を付け加えて学会発表、および国際誌に研究結果を報告する予定である。そのために繰越金を使っていく所存である。
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Research Products
(7 results)